神奈川県にお住まいの37歳の男性(クラウドワーカー:就職支援施設の通所者)が2023年9月頃に読んだ『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめましたので、書籍から学んだことや感想、評価や口コミに関心のある方は参考にしてください。
目次
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』を購入したきっかけ
音楽には宇宙や数学との意外な関係があるとされ、その点に興味を持ちました。
音楽は一般的に芸術の分野とされますが、宇宙や数学の学問は科学の領域です。
芸術と科学の間に密接な関係があるという観点は、とても興味深いと感じました。
また、何時科学が芸術になるのかを考えてみるのも面白そうだと思いました。
通販サイトでの評価も高く、著者が東京大学で医学博士を取得した天才であるという事も知り、そのような天才の思考に接してみたいと感じたことも、この本を読んでみようと思った理由の一つです。
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』の概要
音楽と科学の関係など、様々な知識と知見が紹介されています。
例えば、ピタゴラスは音律の理論をもとにして「惑星軌道の理論」を打ち立てました。
これは、音楽を用いて宇宙の法則を理解したと言えます。
つまり、惑星が円形に回る軌道と、他の惑星が回る軌道の相互関係から、音楽的なリズムが生まれるかどうか研究したのです。
惑星と惑星が近づくとき、仮に音が鳴るとしたら、和音についての理解は新たな形となりますし、そこから曲が生まれる過程が見えてくるでしょう。
著者は惑星が持つ固有の音という概念を提唱しています。
NASAは、惑星とその衛星が発する磁気振動やプラズマ波を計算し、それに基づいて各惑星が持つ音を公開しています。
これも、惑星を一つの音符に見立て、他の惑星が軌道を回る過程で音が鳴ると考え、その結果生まれた固有の音と和音により音楽が出来上がると考えられます。
このように、宇宙科学と音楽の関連性を提示した著者の理論は非常に興味深いものです。
基本情報
- 著者:大黒達也
- ISBN:9784022951632
- 出版社:朝日新聞出版
- 判型:新書
- ページ数:258ページ
- 定価:810円(本体)
- 発行年月日:2022年02月
- 発売日:2022年02月10日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】:AVA
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』のYouTube(ユーチューブ)
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』についてYouTube(ユーチューブ)で解説されている動画の存在を調査しました。
しかし、詳細に本書を紹介しているYouTubeチャンネルを見つけることはできませんでした。
そのため、本ブログで重要なポイントをまとめ、お伝えすることにしました。
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』から学んだことの要約とまとめ
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』から学んだ主要なポイントは3つです。
学んだこと
- 記憶力を高めてプロスポーツ選手になる
- 人間は音楽で形成される
- 音楽は大自然の法則であり、つまり人間の感情である
運動選手がイメージトレーニングを行うのと同様、音楽に対しても同じことが言えるようです。
身体を使わずに運動を想像するだけでも、聴覚―運動システムは活動します。
特に、ピアニストはこの傾向が顕著で、身体を使わずに練習を行わなくても、イメージトレーニングだけで演奏技術が向上します。
これは、頭の中で曲を想像しただけでうまく弾けることからも明らかです。
その想像力を訓練することで、演奏技術は向上します。
著者は、上手な人ほど楽譜を块ごとに見ていると明言しており、そのイメージに基づいて演奏が行えるようになると述べています。
そして、このイメージ力がイメージトレーニングで向上するのではないかと仮説を立てています。
目を閉じて考えるだけでピアノの技術が向上するという考え方は、その研究を明確に表現し示す著者の力がすごいと感じます。
記憶力を高めてプロスポーツ選手になる
教科書を使って勉強することは一般的な顕在記憶を鍛える手段ですが、一方で手続き記憶は身体が覚えており言葉で説明するのが難しい記憶を指します。
著者によれば、音楽の演奏では後者が重要となります。
手続き記憶は運動に関連する記憶であり、よく引き合いに出される例は自転車の乗り方です。
私たちは自転車の乗り方を一つひとつ言葉で覚えていません。
それにもかかわらず、数年間自転車に乗っていなくても体が覚えており、意識せずに乗ることができます。
著者は手続き記憶についてこのように説明し、これが高度なピアノ演奏に表れていると述べています。
作業を自動化する部分を増やすことで手続き記憶が増え、頭が良くなるとも考えられます。
手続き記憶を疎かにし顕在記憶ばかりを増やすと、脳のバランスが悪くなり、運動音痴になるなど頭の回転が悪くなると言えます。
つまり、高速でブラインドタッチできる人やピアノを速く弾ける人、プロ野球選手は頭が良いと言えるでしょう。
顕在記憶を最大限に活用することが研究者や大学教授になる道であれば、手続き記憶を最大限に活用することはピアニストやプロスポーツ選手になる道と考えられます。
人間は音楽で形成される
ピタゴラスら古代の学者たちは音楽を3つに分けました。
3種類の音楽は独立して存在せず、次々と調和しあっているとされました。
それらは、器楽の音楽、人間の音楽、宇宙の音楽です。
器楽の音楽は普通に楽器で演奏される音楽です。
人間の音楽は、人間の心身を支配し、魂や肉体の調和を表すと著者は述べています。
体内に良いリズムが流れているときには、精神や肉体の調子が良いとされ、逆にリズムが悪ければ調子が悪いとされます。
人が調子に乗ると良いパフォーマンスが出せるため、我々はこれを「調子」と表現することで、人間の音楽を無意識のうちに表現しています。
著者はこのことを明示しています。
そして、最も高い位置にあるのが宇宙の音楽で、古人たちは天体の運行が音を出し、宇宙全体が和音を奏でているという考えを持っていました。
これは私が先ほど語った宇宙の音楽と一致します。
各惑星に音符を割り当て、それらの惑星間の位置関係で和音が奏でられるとするならば、宇宙の音楽が演奏されていると言えるでしょう。
このように考えると、古代の学者たちは、世界を興味深い視点で捉えていたと感じます。
音楽は大自然の法則であり、つまり人間の感情である
自然や宇宙の法則を音で表現したものが音楽なのか、それとも人間の感情を音で表現したものが音楽なのかという問題は、音楽家、音楽学者、科学者たちの長期にわたる興味の対象でした。
自然や宇宙の法則を音で表現したものが音楽であるという観点を持つならば、それは音楽に見る科学的な法則を考えると正しいと言えます。
また、音楽が人間の情動を感じさせるならば、それもまた音楽として正しい解釈であると言えます。
特筆すべきは、人間も宇宙の法則に従う生命体であり、その人間の感情も自然や宇宙の一部と考えられます。
つまり、人間は宇宙の法則に従って形成された存在であり、人間に作用する音楽は宇宙に作用する音楽であると言えるでしょう。
例えば、熊蜂の飛ぶ音は自然や宇宙の法則によって表される一種の音、あるいは音楽と言えます。
そして、それを人間の感情で表した「熊蜂の飛行」という楽曲も存在します。
そう考えると、音楽は自然や人間を超越したもっと根本的なものであり、自然や宇宙の法則を表現しつつ、人間の感情も表していると言えます。
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』の感想
私たちは、脳の統計学習により、次にどのようなことがどの程度の確率で起こるのかを無意識に予測するようになります。
これにより、社会環境の中で危険を適切に察知しながら安心して生きていけるようになると、著者は述べています。
また、情報を整理して予測の不確実性を下げることで、脳の情報処理効率も向上します。
この不確実性の低下が脳への報酬になるため、私たちの脳は報酬を多く得るべく、あらゆる現象を予測し、理解しようと努めるのだそうです。
要するに、理解できなかったことが分かる快感や、パズルを解く興奮が報酬になるというわけです。
ただし、予測の不確実性を過度に下げてしまうと物事に慣れて飽きてしまうため、別の不確実性を求めて情報収集を始めます。
そして、新しい音楽や複雑な音楽に対しても理解できる(予測できる)ように脳の知性が発達していくと著者は述べています。
最初はコーヒーを美味しくないと感じるかもしれませんが、次第にその美味しさを理解できるようになる、そんな感覚です。
音楽も味覚も同じ構造を持つというのは意外で、そのような構造になっている脳が面白いと感じました。
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』の評価や口コミ
他の方が『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
「音楽家の頭脳を大解剖」と謳っておきながら「クラシックを聴く人はなぜ頭がいいのか?」と謎の飛躍によってクラヲタにプレッシャーをかけてくる新刊が登場😅
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』大黒達也╱朝日新書 pic.twitter.com/SjSFs2c7bV
— クラシック好き書店員 (@t_sasaki1974) February 13, 2022
ご恵投いただきました。勉強させていただいてます。
大黒達也『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』
村上祐介『生きる意味って何だ? 人生のビッグ・クエスチョンに向き合う』 pic.twitter.com/LQfIcdfsyx— 石津智大 Tomohiro Ishizu (@tmitter) April 22, 2022
音楽の面からも脳科学の面からも、とてもバランス良く楽しめました。脳科学に興味があり、脳ではどのように音楽を捉えているのか疑問に思っている方は、期待を裏切らない内容だと思います。
Amazonの口コミ
お勧めの1冊です。とあるサイトのインタビュー記事を見て早速購入。期待以上の読後感。書かれている内容は広く、また、後半では著者の研究内容を具体的かつ分かり易く説明しています。まずは音楽についてのアウトライン。音楽は人間がいなくても存在するか?を切り口に古代哲人が論じてきた調和とその構造の探求、音律の話、フィボナッチ数例、数学と音楽と関係、クセナキス、シェーンベルク、ヒンデミットなどをひいて語られる。これを下地として、著者の研究の中心であると思われる統計学習と人間の脳の働きとメカニズムについて研究成果から得られた知見が披露されていく。度々言及される文化の進展と人間の音楽認知(理解)の関係については、主客一体として動的に進化していく関係になっていると理解した。不確実性のゆらぎと感動、成長過程における脳の構造変化(刈り込み)にともなう感覚モダリティ獲得の話。共感覚は程度の差はあれ、誰しもが持っているものと著者は言う。首肯なり。幼い頃からピアノ演奏と作曲に勤しみ、広範な分野の研究で活躍する著者の好奇心に溢れた一冊。少し残念なのはサブタイトルや帯の売り文句。う~ん、書店で見かけたら多分スルーしたと思う。何とかならなかったものか。。一般書籍としてまとめるのは大変だったとは思うけれど、本書のエッセンスを掬い上げるようなフックが見つからなかったものかと思う。続きを読む
Amazonの口コミ
『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学』著者の大黒達也さんに話をききました。――本日はよろしくお願いします。楽器を練習することによって頭がよくなる、という話をきいたことがあるんですが……本当なのでしょうか【大黒さん】作曲や演奏といったアクティブな行動は、単に音楽を聴く受け身な行動よりも良い影響を与えることは間違いないです。本書の第4章では音楽を「演奏」する脳についてお話をしています。私が専門的に研究しているのは音楽の作曲についてなのですが、この作曲、つまり音楽の創造に関わる脳に対して、演奏つまり音楽の運動に関わる脳はどのような違いがあるのか、という点について言及しているのが4章です。楽器の練習が脳にどのような効果を及ぼすのか。普段楽器の練習をしているプロの演奏家や趣味の演奏家それぞれの練習が脳に及ぼす影響について知ることができます。——演奏家は短期記憶の一種であるワーキングメモリーが発達している、というお話もありました。これはつまり楽器の演奏を練習すれば短期記憶が発達するといってもよいでしょうか?楽器の練習が発達”に直接関わっていることを知る術はありません。しかし、楽器の練習が発達に“関わっているだろう”という報告はいくつかの論文でなされています(Bergman et al. 2014; Francois et al. 2012)。――音楽を「聴く」方に話をうつします。クラシック音楽を聴くだけで頭がよくなるという「モーツァルト効果」って本当なのでしょうか?最近の研究では再現性がなく「モーツァルト効果は存在しない」と結論付けられています。ですが、音楽を聴くことは人の脳に“なんらかの”影響を及ぼしており、本書の最終章である5章ではそのことについてお話をしています。音楽を聴くことと脳の発達にはどのような関係があるのか、そして音楽以外の、たとえば言語能力にどのような影響を与えるのか。そういった内容になっています。——この本の中でたびたび出てくる、脳の統計学習システムとはなにか、わかりやすく教えていただけますでしょうか。シンプルにいえば、私たちの身のまわりで起こる様々な現象・事柄の「確率」を自動的に学習する脳の働きのことを「統計学習」といいます。人間はこの脳の統計学習により、不安定で不確実な現象・事柄の確率を計算し身の回りの環境の「確率分布」をなるべく正確に把握しようとします。把握できれば次にどんなことがどのくらいの確率で起こりうるのかを予測しやすくなるので、珍しい(起こるはずのない低確率の)ことだけに注意を払えばよくなります。また、統計学習は「無意識学習(=潜在学習)」であり、私たちが起きている間だけではなく、寝ている時でさえも絶えず行っており、産まれてから死ぬまで生涯行い続けている「脳に最も普遍的な学習システム」のひとつであると考えられています。音楽においても、脳はあらゆる音楽を統計学習することで音楽としての一般的な統計的確率を計算します。これにより、新しい音楽を聴いても脳内の音楽一般的な統計的確率をもとに、何となく聞き覚えのある曲や斬新な曲などの判断ができるようになるのです。——斬新な曲は脳にとっては珍しい体験ということなんですね。本書を執筆するにあたって刺激をうけたものはあるでしょうか?刺激を受けた本は、「和声 理論と実習 I~III」(音楽の友社)です。これは、私の高校時代の青春が詰まっています。刺激を受けた音楽は、ヤニス・クセナキスの「メタスタシス」や「ヘルマ」、その他現代音楽です。最近では、私が高校時代に師事していた先生の作品集「渡辺俊哉作品集 あわいの色彩」を毎日聴いています。これが(変な気遣い抜きで)本当にオモロい(こんな表現ですみませんw)、、、是非みなさんにも聴いてほしいです。——「ヘルマ」を聴いたときに、脳天を突き破られたように衝撃を受けたと書いておられましたね。本書の中で大黒さんは現代音楽を聴きはじめたとき「聴けば聴くほど新しいことがわかるため楽しくなって」きたとおっしゃってます。どのようなことがわかると楽しくなるものなのでしょうか。楽しむための前提となる知識があるのでしょうか。まさにこれが統計学習そのものだと、少なくとも私は思っています。繰り返し聴くことによって、脳が新しい法則性を持った現代音楽の統計モデルを作成していき、予測通りと予測ハズレの時間ダイナミクス、つまり起承転結のようなストーリーを楽しめるようになってくるのだと思います。——本書の中で、特に注目してほしい点はどこでしょうか。「未来の音楽とは何か」ということについて、脳の進化や発達の観点から議論している点です。第1章と2章がそれにあたります。本書はクラシックも含めてかなり現代音楽推しな内容になっています。これは、筆者のアツい思いが全面に出過ぎてしまっているのは認めざるを得ません。一方で、音楽と脳の読み物であると同時に、私のアツい音楽愛が時折垣間見える見えるところにも注目してほしいです。——あとがきなど、音楽に対する熱い想いを感じます! 今後執筆してみたいテーマはありますか?もっとバリバリの現代音楽よりの本ですかね。ただ、私が論文でなく“一般書”を執筆するモチベーションは、「興味のある人が読む難しい本」や「知識をさらけ出すだけの自己満足の本」ではなく、「興味のなかった人や難しいと思っていた人が、それに対して興味をもつきっかけになる本」を世に出すことです。私の個人的な意見ですが、現代音楽は「科学や論理ではまだ未解明なものを”感性”によって先に表現しているもの」と考えています。それを後追いで論理によって説明するのかなと。極端なことをいえば、「最先端は現代音楽にある」のです(決してどちらが上とかそういう話ではありません!)……「へー、テクノって現代音楽の派生なんだ!」とか「あ、ポップスのこの部分ってミニマルミュージックっぽい」とかから現代音楽に興味を持ち始めれば、決して私たちが普段聞くような音楽とはかけ離れたものではないことがわかるでしょう。そこから、「こんなことやってみたらどんな音楽になるだろう」とか色々実験的に音楽を奏でていくようになれば、きっと楽しい現代音楽ブームがやってくるのかなと思っています。——今後のご活動の予定は?納得のいく曲を創り、その曲で私たちの脳に衝撃を起こし、音楽の在り方や概念に革命を起こすことです。といえば、かなり大それたことで多くから批判を浴びそうですが(笑)、そのためにはまず短期的な目標は、これまで以上に良い研究をし、良い論文を書き“続ける”ことです。そして何より、色んな個性の人と話をして、色んな考え方を知り、そして色々なおもしろ話を聞いて、自分自身がいつもワクワクしながら生きていきたい。——ありがとうございました!(了)続きを読む
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じっくり読んで勉強しています。
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今さら詳しく知る必要は無いですが、読んで分からずとも何となく納得し聞こえて無かった事も何となく響いてきているような感じを受けますし聴き耳をたててます。評価が余り良くないのは難し~
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みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
脳には、自身の周囲の環境に応じて最適な処理システムを創造する順応の機能があります。
学習を通して、頻繁に使用されるニューロンの回路の処理効率を上げ、使われない回路の効率を下げます。
脳は、使えば使うほどその環境に特化するとともに、使わなければ発達しないという特性を持ちます。
例えば、数学者が一瞬で3桁の掛け算をしたり、ピアニストが見た瞬間に初見の曲を演奏するのは、彼らがその特定の環境に習熟しているからです。
また、著者は「真の個性とは"完璧を求めたその先にある"」と述べています。
これは「意図的に他人と違うことをする」わけではなく、完璧を求める過程で自分なりの個性が現れるということです。
何かを完璧に仕上げたと思った瞬間、それに自分だけの個性が宿るのです。
つまり、個性とは完璧の先にあるものであり、完璧を求める行為は、前述したニューロンの処理効率を磨き、一つの到達点に向かう行為だといえます。
しかしその一方で、収束の過程において、収束とは逆の要素、つまり個性が現れます。
完璧に近づくほど、完璧ではない部分が浮かび上がるという考えは興味深く、そこに著者の深い洞察があると感じます。
次に読む予定の本は『図解 古代・中世の超技術38』です。
2000年前の古代ギリシャ時代に、自動ドアや聖水の自動販売機が存在したと聞いて興味が湧きました。
聖水とは何なのか、また古代の自動販売機がどのような機構だったのかについて知りたいです。
この本は、是非とも読んでみたい一冊です。