佐賀県にお住まいの44歳の女性(職業:主婦)が、2022年10月頃に読まれた『ルワンダでタイ料理屋を開く』についてのレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約し、まとめています。
本書を読み、学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『ルワンダでタイ料理屋を開く』の購入理由
著者の唐渡千沙さんが音声配信のパーソナリティーをされていて、私はこの番組をフォローし、毎日楽しみにしていました。
番組ではルワンダでの経営についての話が出ていて、それが大変面白かったのです。
また、唐渡さんの魅力的な人柄に触れたことがきっかけで、ぜひ読んでみたいという気持ちが強まりました。
彼女の生き方はアグレッシブでありながらもおおらかな印象がありますが、番組を聞いていると実は堅実な面も見えます。
私は人の多面性を理解することが好きなので、そういった興味も購入の動機となりました。
『ルワンダでタイ料理屋をひらく』の概要
5歳の男の子を持つシングルマザーが、大手企業を退職してルワンダに移住。
そこでタイ料理屋をオープンするまでの出来事を一冊にまとめた本です。
店を開こうと決めてから子供と一緒に生活を立てながら、同時に店の準備に取り掛かる過程で、日本とは全く違い思い通りにならない事象が次々と起こります。
雇った従業員との文化のギャップと体当たりで向き合いながら、タイ料理屋のオーナーとして成長していく様子を、唐渡さんらしい面白おかしい表現で書かれています。
基本情報
- 定価:1,980 円(税込)
- ジャンル:ノンフィクション
- 刊行日:2021年03月28日
- 判型/ページ数:四六判 並製 264ページ
- ISBN:978-4-86528-021-0
『ルワンダでタイ料理屋を開く』のYouTube(ユーチューブ)
『ルワンダでタイ料理屋を開く』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説している動画がないか調査しました。
残念ながら、この本を詳しく紹介しているYouTubeチャンネルは見つかりませんでした。
そのため、本ブログで要点をまとめ、お伝えすることにします。
『ルワンダでタイ料理屋をひらく』から学んだことの要約とまとめ
『ルワンダでタイ料理屋をひらく』から学んだポイントは、主に3つの内容です。
私が学んだこと
- 人との違いを知り、自分を知ること
- 思い切って行動する力が人生を切り開く
- 親子が互いに守り合い、成長を促し合うという事実
本書では、女性でありながらキャリアを確立しようとする母親の苦悩が描かれています。
「他人に頼る」という観点から見れば、ルワンダの方が日本よりもハードルが低いと感じました。
その違いから、日本の問題点について思考するきっかけを得ることができます。
また、自身の価値観が、実は限られた世界に生じたものであること、それに固執することがどれほど人生を難しくするのかという点に気づかせてくれます。
ルワンダの歴史から学ぶべきことは多々あり、また貧困が生み出す強さについても深く考えさせられました。
人との違いを知り、自分を知る
異国の地で一人でタイ料理店を開くまでの道のりは、制度の違いや手続きの進行具合の違いから生じる壁に何度もぶつかります。
スタッフの育成に際しても、日本で生活していれば経験しないような人間としての差異に直面する場面が多く、その厳しさが書かれています。
しかし、その一方で、日本の整備された制度や治安の良さがどれほど恵まれた環境であるのかを改めて認識させてくれます。
同時に、生まれた時から植え込まれたルールの中で窮屈に生きているのではないか、または、窮屈さに気づかずに生活しているのではないかという自省を促されます。
思い切って行動する力が人生を切り開く
離婚を経てシングルマザーとなった著者が、大企業でのキャリア確立にのみ集中することの限界を感じ、ルワンダでの事業を決意した際の決断は大きな一歩となります。
シングルマザーであるため、守るべきものがあるからこそリスクを恐れ、行動を躊躇しがちです。
それが自然というべきかもしれません。
しかし、その決断は、その後の人生を大きく変えました。
彼女が行ってきた経験は、通常の生活では得がたいものであり、現在も活発に活動している姿からは大いなる勇気を感じることができます。
親子が互いに守り合い、成長を促し合うという事実
母親にとって子どもは、生まれた瞬間から守るべき大切な存在です。
著者自身も、二人で異国へ移住し、生活を立てていく際に、子どもの生命を守ることが日本でのそれより困難であると感じたでしょう。
異国での飲食店経営を軌道に乗せるためには、子どもへの負担も大きかったことでしょう。
そして、そのことで母親としての著者自身の葛藤も確かに存在していたはずです。
事業を諦めようと思った際、相談に乗ってくれた日本人女性から「息子に謝れ」という助言を受け、自身だけが子どもを守っているわけではないことを認識しました。
『ルワンダでタイ料理屋を開く』の感想
上記に記述したこと以外にも、ルワンダの歴史における悲劇や、そこを生き抜く人々の不屈の生き方を知ることができます。
それらの人々と著者との関わりにおけるズレや違いが生み出すトラブルも、著者の筆により爽やかな笑いに変えられ、爽快な気持ちにさせてくれました。
多くの人々に支えられながら奮闘する著者の人生を垣間見ることができ、ドキュメンタリー映画を視聴したかのような刺激的な体験ができました。
未知の世界を知ることの楽しみを存分に味わいました。
『ルワンダでタイ料理屋をひらく』の評価や口コミ
他の方が『ルワンダでタイ料理屋をひらく』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
以前ご自身の書籍で台南を案内して下さった作家で翻訳家の大洞敦史さんオススメの一冊。
唐渡千紗さんの書籍「ルワンダでタイ料理屋をひらく」
同じアジアの台湾でもカルチャーショックはあるけど、30歳で息子さんと2人アフリカへ渡ってゼロから飲食業に挑戦というハードルの高さ!勇気もらえます。 pic.twitter.com/3TP2RKdaqh— 大久保麻梨子の台湾生活 (@marilog0907) June 1, 2021
努力が報われるのは、頑張ったからではなく、そもそも特権階級だから。
というのを、私もルワンダで暮らして初めて知った。 https://t.co/kltZ6GH0Kz
— CK「ルワンダでタイ料理屋をひらく」🇷🇼 (@chisakarato) November 5, 2023
人見知りで内向的な5歳児言葉の通じないルワンダで幼稚園〜小学校相当まで暮らすクラスに10人に1人しかアジア系がおらず、「醜いアヒルの子」と揶揄され、記述されないものの厳しい現実に直面していただろうことは想像に難くない母親が「結婚はしたくないけどもう1人子どもは欲しい」という理解できない理由で未婚スペイン人父親の妹を日本で出産する間、ルワンダに置き去りにされる日本に戻ってきたタイミングで母親がヨーロッパ旅行に行くため、縁のないスペインの学校に預けられる中学生になった現在、アイデンティティが確立できず、日本語学習も熱心になれず、宿題もやりきれない現状~著者Xの引用~息子、スペインの田舎のサマースクールに入れられて、不貞腐れてる。みんな僕のこと好きじゃない だって。東洋人一人だけで、言葉も分からなくて、なかなかハードな状況だけど、この体験はきっとどこかで何か意味を持つはずと私は勝手に思ってます。~引用終わり~といった具合に相談しても斜め上に都合の良いように解釈されるのでやるせない本書では「息子と幸せになるためにルワンダに行った」と何回も強調するように繰り返されるのだけれど、果たして幸せになれたのでしょうか?続きを読む
Amazonの口コミ
ミナトに謝れ!2015年8月、東京で企業戦士だったチサさんは、一人息子ミナト君と2人でルワンダの地に降り立つ。30歳の誕生日を迎えたばかりのシングルマザーのチサさんは、息子と幸せになりたくて、ルワンダでタイ料理屋をオープンすることにした。東京では、仕事と子育ての両立は容易ではなかった。取引先に叱られ、上司に怒られ、お迎えに遅刻した保育園に注意され、泣きながら自転車をこいで帰ったこともある。「あなたの人生これでいいの?」という心の声に導かれ、友人夫妻のいるルワンダで人生を変えることを決意した。施工業者の不正やルワンダ人との成り立たない会話などを乗り越え、お店はオープンしたものの、1年を過ぎ、大家の破産をきっかけにチサさんの心は折れてしまう。「もう、店なんてやめてやる」と密かに決意した時、最大の支援者であるクミコさんに投げつけられた言葉が「ミナトに謝れ!」だった。仕事と育児は両立するか、共倒れかというのがシングルの厳しい現実。お母さんに甘えたい年頃のミナト君に寂しい思いをさせても、チサさんは仕事を優先せざるを得なかった。幸せになるためにルワンダに来たはずだったのにというジレンマを誰よりも強く感じていたのは母親である彼女自身だったろう。この言葉をきっかけに、チサさんは、再び走り出す。ミナト君への懺悔を燃料にして。その後、お店は軌道に乗り、コロナ禍もなんとか乗り越えた。スペイン人とのパートナーと出会い、娘さんを出産し新しい家族も増えた。チサさんが、異文化のルワンダで頑張れたのは、ひとえにミナト君の存在があったからだろう。どんなに寂しくても、店に向かう母親に「キョーツケテネ!!」と手を振るミナト君は、チサさんの物語のもう一人の主役だ。5歳でルワンダのインターナショナルスクールに入り「多様性」の中で育ってきた彼が、チサさんの「アジアンキッチン」の次の物語を紡いでいってくれることを心から期待している。この本は、日本で、子育てと仕事の両立に悩むお母さん、お父さんに、ぜひ、読んでもらいたいと思う。子育ては一筋縄ではいくものではないけど、チサさん親子のような生き方は「多様性」が重視されるこれからの日本でこそ必要だと思う。コロナ禍が明けたら、キガリのアジアンキッチンを再び訪れてみたい。ここのグリーンカレーは最高に美味しいので。続きを読む
Amazonの口コミ
日本と真逆の価値観・常識が多数存在する国でレストランを営む女性の葛藤・失敗・挫折・喜びが、非常に赤裸々に綴られています。日本の常識や価値観が必ず正しいわけではないということを再認識させられる内容です。世界は広く、いろいろな価値観が存在する。それだから世の中面白いと。日本の中の常識にがんじがらめになって、閉塞感を持ちながらいきている時に読むと、自分の枠を解放するのに役立ちそうです。ストレートチルドレンとして壮絶な環境で生きてきながらも、謙虚で、感謝を忘れず、グッドマンを目指して、穏やかな微笑みでポジティブに生きる男性・イノセント。彼の話、彼の姿勢には、胸を打たれました。一度読了しましたが、あと何度か読み返したいです。続きを読む
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リアル母の強さ、従業員への心配り、目の前の出来事を俯瞰する潔さ、何より決断の早さ・・・メソメソするなグダグダ言っても何も変わんないよまずは動け人生という「旅」の醍醐味といえばそうだが、なぜに「自らそこに飛び込むんだ?」とさえ思うような波瀾万丈の展開。イケイケの解決劇は痛快で、元気百倍!読む人に「がんばろう♡」って思わせてくれる。一方で、語り尽くせない苦労や涙、「どうしてこんな道を選んだのだろう」って自問自答する場面が幾度となくあったに違いない。そういった、心の叫びが行間から聞こえつつも、それを表に出さず果敢に、気丈に振る舞う姿は、まさに「母」そのものだ。我が身を賭して「命を生み出す」存在だからこそ見える、生きることへの真摯な向き合い方。ルワンダ大虐殺や貧困という社会問題にも触れながら、まさに「慈悲」という言葉がピッタリくるような存在感は圧巻だ。あまりにも恵まれすぎている日本。さまざまな便利さを当たり前のように享受し、それが少しでも滞ると「やれ何が足りない、ここが悪い、それはおかしいだろう」と愚痴ばかりが先行しがちな私たちの日々の暮らし。何か大事なものを忘れてやしませんか・・・ポンポンと肩を叩き、そう筆者から囁かれているような、希望の世界が広がる一冊。超オススメ(😊)v続きを読む
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シングルマザー,初の飲食店開業奮闘記 タイ料理 in ルワンダ という「ちょっと何言ってるのかわからない」という実話。主人公(著者)の唐渡さんの行動力がすごい,すごすぎ。わずかなツテを頼りに子連れでルワンダに移住,先輩アフリカ経験者の「タイカレーなんて流行るんじゃない?」の一言で,タイ料理屋を開業する。単なる,サクセスストリーではなく,ルワンダの現状や外国人としてその土地で商売をする困難や葛藤を直球の文章で読んでいる人にぶつけてくる。「ミナトに謝れ」という節では,シングルマザーの痛みに涙しました。挑戦を続ける唐渡さんの,はじける文章に元気になります。
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みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
私の現在の生活範囲が狭いと認識することが最も重要だと感じており、自身の立場が理解できる状態で生活できるようになりました。
人生が一変するわけではありませんが、何かが明確に変わったと感じています。
また、人生を変える必要が本当にあるのかという疑問も持つようになり、心が楽になりました。
何事も始める前に、常識やルールに囚われるのではなく、自分自身で思考し、独自の考えを持つことが非常に重要だと考えています。