北海道にお住いの29歳女性(就職活動中:就職活動中)が2023年4月頃に「映画館」で見た映画『コンパートメントNo.6』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『コンパートメントNo.6』を見ようと思ったきっかけ
ポスターの雰囲気が良かったというのと、フィンランド映画という珍しさからです。
ロシアの列車という鬱々としていそうな雰囲気を、フィンランドがどのようにフィルムに収めていくのか、隣国同士だからわかる空気感のようなものがあるのだろうなと思い、鑑賞に至りました。
また、ポスターに写っているのは主演の俳優ですが、どこかフランスの大俳優レア・セドゥにも似ています。
アンニュイな感じが映画の雰囲気を表しているような、引き込まれるデザインにも惹かれました。
映画『コンパートメントNo.6』の内容
フィンランド人の留学生ラウラは大学教授である恋人と、世界最北端駅のムルマンスクにあるペトログリフという岩絵を見に行く予定だった。
恋人は仕事が入り、急遽1人で旅立つラウラ。
乗り込んだ列車の客室には酒に酔ったリョーハという若い男性。
肉体労働者の彼にとって岩絵を見ることの価値などわからないそうだった。
自分に対しての気持ちがなくなっている恋人への想いを募らせながら、同室のリョーハの振る舞いに苛立ちを隠せないラウラ。
しかし、長い旅路を何日も共にすることで2人の距離はだんだんと縮んでいく。
作品情報
- ジャンル:ラブロマンス ドラマ
- 製作国:フィンランド ロシア エストニア ドイツ
- 製作年:2021
- 公開年月日:2023年2月10日
- 上映時間:107分
- 製作会社:Aamu Film Company=Achtung Panda=Amrion Productions=CTB Film Company
- 配給:アット エンタテインメント
- 公式サイト:https://comp6film.com/
映画『コンパートメントNo.6』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『コンパートメントNo.6』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- フィンランド語の「ハイスタ・ヴィットゥ」まさか2人にしかわからない愛の言葉になるとは
- 岩絵を見る前の「期待感」と見た後の「こんなもんか感」ラウラ本人の過去に執着する気持ちの変化かもしれない
- 凍てつくような風景の中にある美しさ
フィンランド語の「ハイスタ・ヴィットゥ」まさか2人にしかわからない愛の言葉になるとは
「ハイスタ・ヴィットゥ」はフィンランド語で「くたばれ」を意味するそうです。
出会ったばかりの頃、リョーハはラウラに尋ねます。
「フィンランド語で“愛してる“は何ていう?」苛立つラウラは「ハイスタ・ヴィットゥ」と答えますが、リョーハは疑わず、嬉しそうにその言葉を覚えます。
最後、2人がペトログリフの岩絵を見終わり、別れ際にラウラが受け取ったリョーハからの手紙には、下手なりに描いたラウラの似顔絵と、「ハイスタ・ヴィットゥ」という言葉が。
ここで物語は幕を閉じます。
岩絵を見る前の「期待感」と見た後の「こんなもんか感」ラウラ本人の過去に執着する気持ちの変化かもしれない
ペトログリフを見ることを何よりの目的としていたラウラですが、本当は岩絵に対して深い興味などなかったのかもしれません。
恋人との約束を果たすという点に最も重きを置いていたのでしょう。
またはあるいは恋人がみたいというくらいなので素晴らしいものなのだ、という期待感でしょうか。
実際にペトログリフの岩絵を見た時の反応は、「ふーん」というような感じでした。
岩絵は過去から現在まで続くものですが、同じ場所から動けません。
ラウラの恋人への気持ちをあらわしたみたいな描写だなと感じました。
凍てつくような風景の中にある美しさ
凍てつくようなロシアの冬の様子が至る所で鑑賞できます。
そんな中でも続く人々の営みの様子は鮮やかで美しいものです。
列車の中の温かいレストラン、そこで食事をする人々の笑顔、暗闇の中で光るランプの温かみ、老婆が用意してくれたご飯、立ち寄った先でもらうお酒…。
無機質で殺風景な冬の景色と対比するかのような人々の温かさに触れられる映画でした。
タバコの火ですら美しく、そしてあたたかく感じることができるのは、冬の厳しさがしっかり描写されているからでしょうか。
映画『コンパートメントNo.6』を見終わった感想
予想を遥かに超える素敵な作品でした。
人との関わりは綺麗事でもなければ毎回いいことばかりでもない、でもその中で忘れられない出会いがある、ということを教えてくれました。
同じ国籍だからという理由で親しくなったフィンランド人の男性に大切にしていたビデオカメラを盗まれた時は何とも言えない裏切りを感じました。
リョーハが一緒になって怒りを吐き出してくれたのが救いであり、そして善悪はやはり個人の中に存在するのだなと。
映画『コンパートメントNo.6』で印象に残った名言
私が映画『コンパートメントNo.6』を見て特に印象に残った名言です。
「ラウラ」のセリフ
「ハイスタ・ヴィットゥ」
映画『コンパートメントNo.6』の評価や口コミ
他の方が映画『コンパートメントNo.6』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#2023年上半期映画ベスト#2023年上半期映画ベスト10
①怪物
②聖地には蜘蛛が巣を張る
③ザ・ホエール
④ コンパートメントNO.6
⑤老ナルキソス
⑥レッド・ロケット
⑦BLUE GIANT
⑧aftersun
⑨ベネデッタ
⑩少女は卒業しない①は大切な作品になった…
インディ、山女、小説家の映画を週末に見たい pic.twitter.com/yVHckszDWc— さよこ (@save7777777) June 26, 2023
2月に観た映画たち🎬
コンパートメントNo.6が好き❤️🔥#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/7Guy9wrWwL— 𝑾𝑵𝑻 (@WNT_SNW) March 22, 2023
寝台列車で同室になった嫌な感じの男。相手を知ることで自分の新しい一面を知り、見たことのない世界が見えてくる映画「コンパートメントNo.6」自分を見失っている人や、忙しい日々を送る人に観てほしい出会いと別れの作品。一期一会、目の前の時間やいましかできない体験を大切にしようと思える。 pic.twitter.com/s40JdYbbTh
— 𝑾𝑵𝑻 (@WNT_SNW) July 5, 2023
『コンパートメントNo.6』
目的があっても寂しい旅。旅程での同室者はお近づきになりたくない言動の男性。主人公の憤りとやり切れなさは、でも次第に変わる。
全てが通じ合わなくても、違いがあってもいい。それでも分かろうと分かりたいという気持ち自体がかけがえがない。
誠実な映画でした。 pic.twitter.com/cJ6tYf5OKv— ルーとスー (@ApplelampL) March 3, 2023
①aftersun/アフターサン
②聖地には蜘蛛が巣を張る
③コンパートメントNo.6
④モリコーネ
⑤コンペティション
⑥ベネデッタ
⑦仕掛人・藤枝梅安2
⑧ダンジョンズ&ドラゴンズ
⑨長ぐつをはいたネコと9つの命
⑩アクロス・ザ・スパイダーバース※劇場にて新作映画74本鑑賞 pic.twitter.com/VrpNoPNZll
— チェキロ😑 (@check_row) July 1, 2023
みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『コンパートメントNo.6』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。