北海道にお住いの36歳男性(医療施設:事務職)が2023年1月頃に「紙の本」で読んだ小説『騙し絵の牙』のレビューを紹介いたします。
小説の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しています。
したがって、小説を読む前にその面白さを知りたい方や、評価や口コミが気になっている方は、ぜひ参考になさってください。
目次
小説『騙し絵の牙』を読もうと思ったきっかけ
書店やテレビで紹介されていることを知り、本書に興味を持ち購入しました。
以前に読んだ塩田武士さんの書籍が、非常に読み応えのある面白い作品だったため、興味を持つことになりました。
また、本書は俳優の大泉洋さんを題材とした作品と聞いていたので、その点も読もうと思うきっかけの一つでした。
大泉洋さんは、「水曜どうでしょう」という番組をずっと視聴しており、私の大好きな俳優さんの一人です。
購入した時は、ひょうきんな大泉さんを題材にした作品が、どのように描かれているのかを楽しみにしていました。
小説『騙し絵の牙』の内容
主人公、速水輝也は大手出版社の雑誌編集長です。
彼を好きな人もいれば、嫌う人もいないほどのコミュニケーション能力を持つ彼は、部内をはじめ、社内外でも人望を集める人物です。
しかし、彼が担当しているカルチャー誌「トリニティ」は現在の出版不況の影響を受け、廃刊の危機に瀕しています。
また、家庭内では妻とうまくいっていないという事情から、速水は内外で厳しい状況に立たされています。
そんな中で彼は、持ち前のコミュニケーション能力で問題に立ち向かいます。
物語の結末では、これまでの速水の人柄を覆す展開が待っています。
作品情報
- 著者:塩田 武士
- カバー写真:大泉 洋
- ISBN:9784040689043
- 出版社:KADOKAWA
- 判型:4-6変
- ページ数:384ページ
- 定価:1600円(本体)
- 発行年月:2017年08月
- 発売日:2017年08月31日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】1:FB
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】2:1FPJ
小説『騙し絵の牙』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説する小説『騙し絵の牙』の読みどころは大きく3つあります。
この小説の読みどころ
- 速水輝也の人間性・人柄
- なかなか知ることのない出版業界の現状
- 親と子、夫と妻、家族の関係性
速水輝也の人間性・人柄
物語の序盤から中盤までは、編集者・速水輝也を通じて物語が進行します。
彼は常に冗談を言い、時には完成度の高い物真似を披露し、その人懐っこさから周囲から高い評判を得ています。
物語を読む我々も、速水を応援しながら物語を進めていきます。
不倫行為など、彼の行動は全てが褒められるものばかりではありませんが、彼の仕事への熱意や子どもへの愛情のギャップが、読者を速水の魅力に引き付けていきます。
しかし、物語の終盤では、これまで応援してきた速水が大きく変わった一面を見せつけられ、まるで騙し絵を見たかのような衝撃を受けることとなります。
なかなか知ることのない出版業界の現状
出版業界の仕事に携わっていなければ、業界の現状を知る機会はそれほど多くはありません。
現代では、WEB上で雑誌や小説、漫画などが読めるようになったため、実際に本を購入する人が減っているかもしれません。
本作では、「暗い話」として出版業界の現状が何度も触れられます。
紙の本が売れなくなっている現状は、出版社や書店だけではなく、著者自身にも大きな影響を及ぼしていて、一部のベストセラー作家でなければ作家として生きていけないという厳しい現実を痛感させられます。
親と子、夫と妻、家族の関係性
速水は、仕事では活躍する一方で、私生活では多くの問題に直面しています。
妻との間には、埋められない溝が存在し、幼い子どもがいるにも関わらず、このギャップを埋めようという意識はないようです。
しかし、この問題も含めて彼の人間味が強調され、その魅力が一層引き立っています。
彼の子どもへの深い愛情は、子どもからも慕われていることからも明らかで、家庭を全く顧みない人間でなかったことが伺えます。
特に、彼が「父親のいない子どもにしてしまった」と涙を流すシーンは印象的です。
彼の過去の経験から、自分の子どもに最良の環境を提供しようと努力していたことがうかがえます。
小説『騙し絵の牙』を読み終えた感想
一つの物事を様々な角度から見ることで、多面的な理解を得ることができます。
人についても同様で、観る者の境遇や立場、考え方により、その印象は多様になります。
例えば、多くの人が仕事場での態度、家庭での過ごし方、知人との交流などで示す様子は異なるでしょう。
しかし、私を含む多くの人は、表面的な一部分しか見ないことから、“こういった人間だ”と早合点してしまう傾向があるかもしれません。
本作の終盤で、速水の人柄について大いに、そして良い意味で驚かされました。
彼の振るまいは演技だったのか、それとも私が勝手に思い込んでいたのか知る由もありません。
ただ一つ確かなことは、タイトル通り“騙し絵”だったという事実です。
小説『騙し絵の牙』で印象に残った名言
私が小説『騙し絵の牙』を読み、特に印象に残った名言を紹介します。
「速水美紀」のセリフ
パパ、ママはもう限界だと感じています。
小説『騙し絵の牙』の評価や口コミ
他の方が小説『騙し絵の牙』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
主人公のモデルは大泉洋!
『騙し絵の牙』
プライムビデオで見放題配信中📚大泉洋を主人公にあてがきしたベストセラー小説がついに映画化。崖っぷち出版社で生き残りをかけた逆転連発エンターテインメント!
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— Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) May 30, 2023
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— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) December 27, 2019
【大泉洋情報】映画『騙し絵の牙』「大泉洋」で完全あてがきした前代未聞のベストセラー小説が最強タッグで映画化!2020年6月公開!https://t.co/DgjATVekQ7 pic.twitter.com/DgYSOOiFN7
— 水曜どうでしょう最新情報《非公式》 (@jundou_com) October 30, 2019
みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!
おわりに
小説『騙し絵の牙』について、私の読んだ感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してまいりました。
「面白い」と感じた方は、ぜひ読んでみてください。