神奈川県にお住いの66歳男性(広告制作:コピーライター)が2022年5月頃に読んだ『細野晴臣と彼らの時代』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『細野晴臣と彼らの時代』を購入したきっかけ
まず、私は、音楽家としての細野晴臣を尊敬しており、かつての日本のロックバンド「はっぴいえんど」のファンなので、彼やバンドに関連した書籍は見つけると買って読むようにしています。
細野晴臣さんの買いた本やインタビュー本などは、手に入るものについてはほぼ読破していましたが、本書は、いわゆる編集ライターが執筆したもので、細野さんに長い時間をかけた取材を通じて、細野さんのオールタイム的な内容が書かれているということを、ある書評で知って興味を持ちました。
『細野晴臣と彼らの時代』の概要
細野晴臣さんの子供時代から70歳になる直前くらいまでの半生が丹念に描写されています。
また、細野さん自身のことだけでなく、彼の交友関係やバンド仲間、その変遷についても書かれていて、書籍タイトルにあるように「彼らの時代」というものの匂いまで浮かび上がってくるような内容です。
細野さんの音楽キャリアは非常に長いのですが、まずフォーク・ロック時代に始まって、エキゾチックノスタルジック音楽へ、そして最も有名な「YMO」の時代へ、そしてアンビエント音楽の時代へ、という流れで、その時代時代の空気が手に取るようにわかります。
また、細野さんの喜びだけでなく、苦悩もわかり、読んでいて切ない気持ちになることもありました。
『細野晴臣と彼らの時代』の基本情報
基本情報
- 出版社:文藝春秋
- 著者:門間 雄介
- 定価:本体2,200円+税
- 発行年月:2020年12月17日
- ページ数:509ページ
- ISBN:978-4-16-391207-3
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163912073
『細野晴臣と彼らの時代』の目次
目次
- 細野の家
- 一本の電話
- 一九六八年十二月三十一日
- エイプリル・フール
- はっぴいえんど前夜
- ゆでめん
- 風街ろまん
- HAPPY END
- HOSONO HOUSE
- キャラメル・ママ~ティン・パン・アレー
- ダメージ
- 楽園へ
- エキゾチック・サウンド
- 葛藤
- イエロー・マジック・オーケストラ
- 世界進出
- YMOブーム
- 確執
- 一九八一年のはっぴいえんど、YMO散開
- 観光音楽
- アンビエントの海から
- 再会
- 再結成
- ハイドパークの奇跡
- 音楽はつながる
『細野晴臣と彼らの時代』のYouTube(ユーチューブ)
『細野晴臣と彼らの時代』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
残念ながら本書を紹介しているYouTubeチャンネルはなかったため、本ブログにて要点をまとめてお伝えできればと思います。
『細野晴臣と彼らの時代』から学んだことの要約とまとめ
『細野晴臣と彼らの時代』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 自分の好きな対象と、いかに付き合うと、大変なことがあっても、それが楽しめるようになるのか、ということ。
- 何か好きなものに打ち込めば、孤独は苦にならないし、また逆に、仲間は自然とできてくるということ。
- 自分は「音楽」が好きでよかったなと思ったこと。
単に娯楽や趣味としての音楽ではなく、人間の生き方としての「音楽」というものが胸に迫ってきます。それは細野さんたちの時代だけに特有のものなでしょうか。
学生運動や反戦運動など、若い世代が非常に社会や政治に関わり合っていた「熱い」時代なので、それもあると思います。
しかし、細野さんの「飄々とした」独特のキャラクターが重苦しい時代背景も軽々と飛び越えていくようで、マジメに音楽に打ち込みながらも、その底では、やはり楽しむことがいちばん大事なのだなあ、と想わされました。
自分の好きな対象と、いかに付き合うと、大変なことがあっても、それが楽しめるようになるのか、ということ。
誰にも好きなことは一つや二つはあると思います。
一つもないという人もいるとは思いますが、それは照れ隠し、あるいは自分に嘘をついているのかもしれません。
これをやっているときは自分は楽しいし、リラックスできるなあと思うことがあれば、とことんマジメに、自分にウソをつかずに、それをつきつめていくこと。
最初は苦労もあるかもしれないけれど、必ずカベを突き抜けて、気分が楽になる状態になると思います。
キーワードは「マジメに」「自分にウソをつかない」ことだと思いました。
何か好きなものに打ち込めば、孤独は苦にならないし、また逆に、仲間は自然とできてくるということ。
自分は一人で生きていけるし、人と関わり合うのは嫌いだという人もいるかも知れません。
また、自分に翻ってみてみても、そういう風に思うときは何回かありました。
でも、それは孤独は嫌だという気持ちの裏返しだったり、なぜ友だちができないんだろうという気持ちの反動だったりするのかもしれません。
細野さんの生き方はとてもナチュラルです。孤独も楽しめるし、仲間も大切にする。でも嘘をついてまで仲間をフォローしようとは思わない。意見が対立するときはきちんと対立する。何年も会わなくなってしまうこともある。
でも、その後には有効な関係を取り戻したりする。それはやはり自分という芯がしっかりしているからだと思いました。
自分は「音楽」が好きでよかったなと思ったこと。
「音楽」は素晴らしいものです。
もちろん「音楽」以外にも素晴らしいものはいっぱいあると思いますが、それはそういうものが好きな人に任せておけば良いものです。
たまたま自分は音楽が好きで、その音楽を媒介にして、いろいろな本や人や出来事に出会うことで、かけがえのない時間を手に入れることができたと思います。
もちろん、自分が落ち込んだときには音楽を聴く余裕すらありませんが、すこし気を取り直したときには音楽を聴きたくなります。
絵画でも小説でも映画でも、なんでも良いですが、自分の好きなアートの世界があると、人生の彩りはずいぶん違ったものになると思います。
『細野晴臣と彼らの時代』の感想
この本を読む前は、細野晴臣という人の履歴を長々とまとめたものを読ませられるのかもしれないな、と多少心配があったのですが、その心配は杞憂でした。
かなりボリュームのある本でしたが、ーー自分は遅読なのですがーーあっという間に読み終えてしまいました。
この著者は若いながらも、本質を深くえぐる文章を書ける人だなと感心しましたし、もっとほかの本も読んでみたいなと思わせてくれました。
本の内容は、ある音楽家の半生であり、その取材をまとめたものですが、ビジネス本や精神分析の本となんら変わらない気づきを与えてくれました。
書籍のジャンルにかかわらず、読後の感動というものは、やはり著者の志によってもたらされるのだ、と思い知らされました。
『細野晴臣と彼らの時代』の評価や口コミ
他の方が『細野晴臣と彼らの時代』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
『細野晴臣と彼らの時代』には細野さんの家に松本隆さんや大瀧詠一さんらが集まってレコードを聴く場面が幾度も出てくるんだけど、今の若い世代は友達の家に「音楽を聴く」ために集まることってあるのかな。昔は「友達が所有するレコード」かラジオしか日常的な新しい音楽体験ってなかったからなぁ。
— 中野俊成 (@tonakan) August 27, 2021
1ヶ月くらい刊行を心待ちにしていた2冊を同時に購入。門馬雄介さん『細野晴臣と彼らの時代』(文藝春秋)と、大川慎太郎さん『証言 羽生世代』(講談社現代新書)。図らずも、どちらもデザインが金色。 https://t.co/zdClZIVVVp pic.twitter.com/bwH2akysvH
— kishimoto (@cd_wd) December 16, 2020
『細野晴臣と彼らの時代』を読み終えたら、今はウチの子がむさぼり読んでいる。世代を越えた細野さんの魅力を痛感しました。
— 竹内正浩@『妙な線路大研究』シリーズ好評発売中! (@takeuchmasahiro) January 17, 2021
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
まずは「細野晴臣」を好きな人、ファン、と会って、いろいろな話をしてみたいと思うようになりました。
とにかく人と会うことは、人にとっていちばん大事なことだと思うようになったわけです。
細野さんも子供時代から高齢になるまで、いろんな人との出会いによって、さまざまな価値を創造してきたとわかりました。
人は人と出会って自分になるということもわかりました。それが音楽の道ならステキなことですが、音楽に限りません。
ひょっとすると、ジャーナリズムの道が開けるかもしれません。自分の未来を拓くために活用できる内容だと思います。
次に読みたいと思っている本は『コロナ時代に知っておきたい 免疫入門』です。
身を守るために押さえたいウイルスと免疫についてまとめられている書籍ですが、コロナ時代なのでウイルス、免疫、ワクチンのキホンがわかる本で勉強したいと思います。