宮城県にお住いの37歳女性(主婦)が2022年4月頃に読んだ『アーモンド』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『アーモンド』を購入したきっかけ
好きなKーPOPアーティストが、この本を読んでいたことがきっかけです。
BTSの中でも知能派のRMとシュガが読んでいたので、私も読みたくなっていました。
実は韓国の小説は読んだことがなかったので、最初は敬遠していたのですが、2020年に本屋大賞も受賞したと帯に書かれていたので手に取ってみた感じです。
本屋の中で最初の出だしを読んでみて、本の書き方も好きだなと感じたので思い切って購入することにしてみました。
『アーモンド』の概要
生まれつき感情を持たない少年・ユンジェが、母親や友人との出会いによって少しずつ感情を開花していく感動物語です。
15歳の誕生日に、通り魔によってユンジェは祖母を失い、母親も植物状態になってしまいます。
ひとりぼっちになってしまったユンジェでしたが、クラスメイトのゴニと出会ったことで変わっていきます。
ゴニはユンジェとは正反対に感情をぶつけるタイプで、周りからは怪物と恐れられているような人物でした。
最初はゴニがユンジェに対して酷いいじめをしていきますが、そのうちに2人は熱い友情を育んでいくようになるのです。
『アーモンド』の基本情報
基本情報
- 出版社:祥伝社
- 著者:ソン・ウォンピョン
- 定価:本体1,760円
- 発行年月:2019年7月11日
- ページ数:267ページ
- ISBN:9784396635688
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shodensha.co.jp/almond/
『アーモンド』の目次
目次
- プロローグ
- 第一部
- 第二部
- 第三部
- 第四部
- エピローグ
- 作者の言葉
- 訳者のあとがき
『アーモンド』のYouTube(ユーチューブ)
『アーモンド』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「KBS WORLD Radio」さんが細かく解説してくれているので、本を読む時間がない方はこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
「感情」の「表現」がわかりやすくまとめられていたので、動画で見たい方はおすすめです。
『アーモンド』から学んだことの要約とまとめ
『アーモンド』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 一見、普通とは言えない反応も、誰かにとっては正解になるかもしれないということ
- 人の命は誰でも重いということ
- 感情を表現することは大切だということ
家族の大切さや、友情の大切さがヒシヒシと伝わってきます。
私も子供の親だからこそ、ユンジェの母親の気持ちが痛いほど伝わってきて、ラストは涙が止まりませんでした。
子供に対する親の愛情が感じられる1冊になっています。
また、友情物語としても、とてもよくできた1冊です。本当の友情とは何なのかについて、考えさせられます。
自分だったら友だちのためにユンジェのような行動ができるのかといろいろ考えてしまいました。
思春期の子供たちに、ぜひ読んでみてもらいたい名作です。
一見、普通とは言えない反応も、誰かにとっては正解になるかもしれないということ
主人公のユンジェは、感情を表現できない少年なのですが、それが人によっては助かることもあるのだと感じました。
たとえば、作中のゴニは、周りからは怪物と言われ恐れられていました。
それは、相手の表情でも伝わってしまいます。
しかし、ユンジェは感情をあまり持たないので、彼に対してフラットに接することが出来るのです。
私たちは、知らないうちに相手を判断して嫌ったり好いたりしてしまいますが、そんな偏見を持たずに接することの大切さをこの本で学べました。
人の命は誰でも重いということ
この本の終盤で、ユンジェもゴニも命の危険が迫ります。
ゴニは、周りから見たら殺されてもいいクズのような存在に見えたかもしれませんが、人の命の重さは決して測れません。
この物語には、祖母の死も描かれているのですが、どの死も、どの生命も深く考えさせられるほどに重いのです。
普段はニュースでただ聞き流すだけの事件も、この本を読めば、きっととても身近に感じられるものとなるはずです。
人の命の重さを愛を知ることでぜひ知って欲しいです。
感情を表現することは大切だということ
生まれつき感情を表現できなかったユンジェでしたが、人々の愛に触れることで訓練ではなく、本当の感情を手に入れることができるようになってきます。
感情を表情することは嬉しいことばかりではないですが、やはり愛を感じられる素晴らしい表現方法なんだと改めて気付かされました。
人とのコミュニケーションをとる上で、必要不可欠なものだからこそ、自分も自分の感情を大切にしようと思えるようになってきます。
学校や会社で猫を被っている人たちにも、ぜひ感情の大切さを知って欲しいです。
『アーモンド』の感想
人間が幸せに生きるために必要なのは、やっぱり愛なんだなと感じました。
どんなに境遇が恵まれていなくても、環境が整っていなくても、愛ある人たちと接することで、そこから抜け出すことは出来るんだと思います。
一般的な人たちは、どうしても怖くて助け出す勇気が持てなかったりするけど、偏見の目を持たずに飛び込む勇気も必要なんじゃないかと考えさせられました。
悲劇が起きないために、自分ができることは何なのだろうと考えさせられた1冊です。
『アーモンド』の評価や口コミ
他の方が『アーモンド』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
楽しみに取って置いた本、#アーモンド、ようやく読了。Kindle Unlimited以外で電子書籍を購入するのは久しぶり(国外からの購入を続けると冊数制限がかかると聞いてビビってる)。読んで良かった…寡聞にして韓国文学に初めて触れる。素晴らしい読後の多幸感と余韻。 pic.twitter.com/xEAZd0zY9O
— ぼんやり侍 (@bonyari_zamurai) December 10, 2021
アーモンド/ ソン・ウォンピョン
初の電子書籍
読み初めは、悲しい事が多くて辛い気持ちになったけど、後半からは続きが気になり一気に読んだ
愛って、素晴らしい✨
言葉や態度で伝える事、改めて大切だと思いました。 pic.twitter.com/wNEZwmu9DK— yuki (@1610yukiyuki) August 21, 2021
【書籍から学ぶ2020年#52】
アーモンド今の世の中を生きるうえで凄くタイムリーな物語。「共感」と「愛情」をキーワードにして、成長していく少年物語。少年の心の動きがスピーディーに描写されているのも印象的!
感じることがたくさんありました!#ふく文庫 pic.twitter.com/Z0oc5wfGkH
— 福元直人 (@moccccch) July 19, 2020
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
誰に対しても偏見の目を持たずに、同じ目線で接することの大切さを学びました。人間はみんな一緒で、同じ命の重さなんだと思います。
それまでは、みんなが同じ命の重さだとは思えませんでした。
しかし、誰にでも抱えるものがあって、救える機会はあったのだということに気づくと、命の重みが変わってきます。
その上で、私自身が誰に対しても同じ態度で、その人を認められるようにすることが大切なんじゃないかと感じるようになりました。
次に読みたいと思っている本は『イノセント・デイズ』です。
犯罪者の気持ちや、それに関わる人たちの心情を知れるミステリーとのことで、楽しみです!