群馬県にお住いの25歳女性(IT・通信系:エンジニア)が2022年12月頃に「紙の本」で読んだ小説『定年オヤジ改造計画』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『定年オヤジ改造計画』を読もうと思ったきっかけ
私の実家には定年退職した父親がいます。
教師という職業柄なのか昔から厳しく頑固な父親で、家での態度はまさに亭主関白そのものです。
仕事を辞めた時にはその性格もきっと柔らかくなるだろうと何となーく思っていましたが、その想像は見事に裏切られ、定年後も変わりません。
2022年の帰省の新幹線に乗る前に最寄りの駅で乗車中に何か読む本を探していたときに見つけたのが表題の本です。
60年も、ましてや子供より長く生きている人間が変われることがあるのだろうか、とこのタイトルを見た時に思いました。
「そんなはずはない」と正直思いましたが、以前から著者の本は好んでよく読んでいたので、今回購入に至りました。
小説『定年オヤジ改造計画』の内容
定年退職した父親か旦那を持つ人、もしくは本人に見てほしい本です。
定年退職した旦那が家にいることが苦痛で、それを理由にした熟年離婚が昨今はやっています。
それはなぜ流行ってしまうのかわからない人には良い教科書だと思います。
途中途中、主人公の鈍感さにイライラしましたが、これがおそらく”普通”なのだと思いました。
私は女性なので男性のことについておそらく男性より理解は出来ません。
異性に自分の性別のことについてわかってもらうことっておそらく根気がいることなのだろうとこの本を通して学びました。
またやはり相手のことを理解するには相手と同じ状況に立つしか分かり合えないとも思いました。
小説『定年オヤジ改造計画』の作品情報
作品情報
- 出版社:祥伝社
- 著者:垣谷美雨
- 定価:本体1,500円+税
- 発行年月:2018年02月14日
- ページ数:315ページ
- ISBN:9784396635398
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=9784396635398
小説『定年オヤジ改造計画』のあらすじ
大手石油会社を定年退職した庄司常雄(しょうじつねお)。
夢にまで見た定年生活のはずが、良妻賢母だった妻は「夫源(ふげん)病」を患(わずら)い、娘からは「アンタ」呼ばわり。
気が付けば、暇と孤独だけが友達に。
そんなある日、息子夫婦から孫2人の保育園のお迎えを頼まれて……。
崖(がけ)っぷち定年オヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む!
小説『定年オヤジ改造計画』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『定年オヤジ改造計画』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- 相手の状況にならないと本当の気持ちはわからないこと
- 価値観をアップデートしなければ、周囲に呆れられること
- 何事もやってみること
相手の状況にならないと本当の気持ちはわからないこと
主人公は息子夫婦の子供である孫の面倒を一時的に見ることになります。
その時の主人公は「子供の面倒は女が見るもの。男には無理」と感じ、妻にもそのようなことを言い放ちます。
20代半ばである自分には全くそのように思いませんし、子育ては周りが助けるものだと思っています。
先日実家で兄の子供の子育てについて同じ状況に遭遇しました。
私の父も同じようなことを言いました。
おそらく同じ年代の人間は同じ考えで、主人公だけが異端だった訳ではないと思いました。
その年代の共通の認識だと学びました。
価値観をアップデートしなければ、周囲に呆れられること
主人公はまさに亭主関白そのものです。
態度こそ悪くはないですが、家事育児は女がやってあたり前という考えをいつになっても改めません。
妻の態度や娘からそのことについて直接指摘されても全く無自覚の様子です。
ところどころ家族も諦めてしまいます。
定年まで勤め上げた主人公は自分が正しいと思い込み、それが間違いだと微塵も感じる様子はありませんでした。
終盤になって自分の考えを改めますが、もしそのまま行っていたら家族と同居していても主人公は孤独だっただろうなと思いました。
何事もやってみること
主人公は孫の世話は女性である妻がやるべきという考えを途中まで持ち、ちゃんと孫の面倒を見ようとしませんでした。
何か困りごとがあると妻に泣きつく始末。
しかし少しづつ少しづつ自分でやってみようとこなしていくうちに育児の大変さを理解します。
私も読者として読み進めるうちにこんないい加減な主人公に子供2人を任せられるか!と思いましたが、小さなきっかけでもいいから与えることで人って少しづつ変わることができるんだなと学びました。
小説『定年オヤジ改造計画』を読み終わった感想
私も定年退職をした父親を持つ身として、気になりこの本を手に取りました。
正直60年以上も子供よりも長く生きてきた人間が主人公のように変われるかというともちろん全てではないと思います。
自分は父とは考え方がまるで合わず、いつも口喧嘩ばかりしています。
他の家族も私と同じで基本父親だけが古びた考えです。
主人公は育児を通して自分の考えを改めたように言葉よりもまず本人に行動させることが一つのきっかけになるのだなと思いました。
小説『定年オヤジ改造計画』で印象に残った名言
私が小説『定年オヤジ改造計画』を読んで特に印象に残った名言です。
印象に残ったセリフ
なし
小説『定年オヤジ改造計画』の評価や口コミ
他の方が小説『定年オヤジ改造計画』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#年間100冊読書
今年7冊目📚
定年オヤジ改造計画
NHKのドラマ観て気になった原作。男の人たちの男尊女卑な古臭い考え方。政治家みてても思うよね。0才児と24時間365日一緒にいてみろ。わたしはすごく共感したし、男の人たちに是非読んでもらいたい。これから赤ちゃん迎える人も、考え方変わるよ。 pic.twitter.com/vt2SHgG0IC— mei (@meeeeeicham) January 27, 2023
定年オヤジ改造計画、読み終わった
読んでて偉いなと思ったことは、後半人の反応を見ながら自己改革をしていったこと
たぶん前半と後半で人が考え方から違うレベル😂国際標準の男にならねば…
— クラウド v2 (@cloud16169) January 23, 2023
#読了 定年オヤジ改造計画 垣谷美雨
定年退職した常雄。孤独を感じ、熟年離婚の危機。
果たして…自分の凝り固まった思考に厳重注意し、本当はどうなのか考え、色々なことに挑戦してみよう!
世の中はやってみなければ分からないことだらけ。
人に寄り添える定年オヤジでありたい(≧▽≦)b pic.twitter.com/WKw4WLHMa0— まじ爺 (@RecordNewMyLife) December 23, 2022
おわりに
私が小説『定年オヤジ改造計画』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。