大阪府にお住いの43歳女性(メーカー系(電気・電子・機械系):製造業)が2022年12月頃に読んだ『イノベーションのジレンマ』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『イノベーションのジレンマ』を購入したきっかけ
MBA100の基本(クロービズ)の参考図書として記載されていました。
ネットで調べ日本語書籍版もあることを知りました。
出版されたのが2000年ごろだったため、改訂版、解釈版、といろいろなバージョンが出ていましたが、初期版の内容が知りたかったこともあり、なるべく原本の内容に近い翻訳版を購入するように探してみました。
そういったことがきっかけと言えばきっかけになります。
『イノベーションのジレンマ』の概要
業界でトップに立っていた企業が、なぜ後続の企業に負けてしまうのか、何がおきているかについてが書かれています。
1980年代から2000年代に製品としてのイノベーションのスピードが速かった製品を参考に、なぜ既存でしかも好成績を収めていた企業が、後続の破壊的な技術や製品に取り込まれ、業界から消えていくのかというのが書かれています。
特に、メモリディスク業界を中心とした変革の歴史を紐解くと、決して負けていった企業が胡坐をかいているわけではなく、むしろ利益とお客様の事を考えた結果起きているという衝撃的な内容でした
『イノベーションのジレンマ』の基本情報
基本情報
- 出版社:翔泳社
- 著者:クレイトン・クリステンセン
- 定価:本体2,000円+税
- 発行年月:2000年01月31日
- ページ数:304ページ
- ISBN:9784881358399
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784881358399
『イノベーションのジレンマ』の目次
目次
- 第一部 優良企業が失敗する理由
- 第一章 なぜ優良企業が失敗するのか
-ハードディスク業界に見るその理由- - 第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
- 第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション
- 第四章 登れるが、降りられない
- 第二部 破壊的イノベーションへの対応
- 第五章 破壊的技術それを求める顧客を持つ組織に任せる
- 第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
- 第七章 新しい成長市場を見出す
- 第八章 組織のできること、できないことを評価する方法
- 第九章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
- 第十章 破壊的イノベーションのマネジメント-事例研究-
- 第十一章 イノベーションのジレンマ-まとめ-
『イノベーションのジレンマ』のYouTube(ユーチューブ)
『イノベーションのジレンマ』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「サラタメさん」の「【12分で解説】イノベーションのジレンマ【会社を滅ぼすのは、まさかのイノベーションでした】」がわかりやすくまとめられていたので、動画で見たい方はおすすめです。
『イノベーションのジレンマ』から学んだことの要約とまとめ
『イノベーションのジレンマ』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 新規市場を開拓するときの注意点
- 市場は生きている
- ユーザーの利益や要求が新しい市場を築くわけではない。
業界を変える破壊的な技術というのは、特に革新的で革命的なものではなく、業界において作成可能なもの、特に変わったものではないことが多く、その中で、そのようなことが起こるのは、既存の顧客や利益を優先した結果、ブルーオーシャンをみあやまり、気づいた時には手遅れ(人的リソース、資金的リソースを投入してもその市場の中心になれない)状況になってしまうということが、当たり前のように起きていることがあるということが学ぶことができました。
新規市場を開拓するときの注意点
新規市場を開拓する場合、それが市場から要求されていないからと言ってそこに市場が無いわけではないということだと思います。
それを、会社全体で行うよりも事業所を分けて市場の調査や技術を磨いていくべきであると考えます。
自社の基幹業務と切り離すことで利益を追求する部門と新しい利益を見つける部門にする意義を見出し、新しい競合や市場に対して準備をするべきだとこの本から学びました。
非常に有効な内容だったと思います。
市場は生きている
「市場は生きている」これは、トピックの一つであったドライブ市場の動向からわかりました。
固定顧客が要求しないスペックだったとしても、未来を考えたときに有効であると考えた場合、今の市場は発展するのかそれとも縮小していくのかを考えるべきであり、その時に自社の成長や発展性を考えたときに市場の価値を再確認するべきであると学びました。
破壊的技術は、特に新しいことをしているわけではなく、現在の市場のすきを狙うものなのでそこに注意すべきだと思います
ユーザーの利益や要求が新しい市場を築くわけではない。
ユーザの要求が新しい市場を築く分けではなく、ユーザの要求は既存の技術に対して、主にコストダウンを求めるものです。
たとえそこに新しい技術が来たとしても半信半疑で使用することがありません。
企業としては、そこで一端の安心感を得て現状の技術の発展を考えますが、そこで市場は止まってしまいます。
ユーザーは、もしかしてこの技術使えるんじゃないかと感じてしまえば、コスト、納期をかんがて最終的に安くそこそこの性能があればそれを選んでしまいます。
お客様のためと今の技術を研ぎ澄ませても破壊的な技術に顧客を持っていかれ、その市場獲得のチャンスを逃してしまいます。
『イノベーションのジレンマ』の感想
2000年ごろに出版されて本とは思えず、まるで予言の書物です。
何が予言と考えたかといいますと、EV自動車市場の拡大を的確に記載されていたからです。
EVは今後拡大し、それは既存の大企業ではなく、ベンチャーのような会社が大頭してくると書いてあり、それに対応するためにはどうするべきか書かれていました。
有名な本ですので、大企業のトップの方は読んでいると思います。
でなければ、EV市場に大企業は参入できていないと思います。
『イノベーションのジレンマ』の評価や口コミ
他の方が『イノベーションのジレンマ』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
もし、イノベーションのジレンマを最後まで読んだのなら、顧客のニーズやコストを ”正しく評価する” 組織の仕組みが、ワリに合わないEV化を拒んでるって分析できたんですけどね~
(ちなみにその課題や対処方法が出てくるのは最終章です)— 【適合】エアプ回路レビュワー (@gde_tualet) June 5, 2023
ちなみに僕の考え方にずっとある本が、イノベーションのジレンマっていう本とFree。Freeは別に面白くないけど内容は実践してるかも。
前者は、コーヒープロダクトも自身のブランドにも落とし込んでる考え方。何に置き換えるかで何でも応用できる。— Shin Honda (@rdespressolab) June 3, 2023
いまさらですがクレイトン・クリステンセンの #イノベーションのジレンマ が面白すぎて寝れません。自分が所属する組織の事業をAIを活用して大幅に変革する提案を準備中なので、そこにこの書籍の理論を反映します。
— 松澤拓未 (@taku19031217) March 1, 2023
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
自社の製品を今後拡大するにはどのようなアプローチがあるかを考えるきっかけになりました。
今まで、大企業には太刀打ちできないと考えていましたが、大企業には大企業の問題点がありそれを解決するための労力を考えると、これから新規で事業を起こそうとしてもつけ入るスキがありそうだと考えれるからです。
その場合、ひともの金のリソースは必須ですが希望が見えてきたと考えることができます。
この本に出合えたことは財産だと考えています。
次に読みたいと思っている本は『競争戦略論』です。