千葉県にお住まいの35歳の女性(商社系(電気・電子・機械系):商社財務)が、2023年5月頃に読んだ『ニュー・アース』のレビューをご紹介いたします。
本書の概要や内容をわかりやすく要約し、まとめておりますので、書籍から学んだことや感想、評価や口コミが気になる方は参考にしてください。
目次
『ニュー・アース』の購入理由
現在、アダルトチルドレンとして治療を受けているカウンセリングの先生から、「ニュー・アース」を読むことを勧められました。
この勧めは、カウンセリング中に私が発する言葉の中に、「鍵となる特定の言葉」によって苛立ちや深い落ち込みを生じ、その「鍵となる特定の状況や言葉」を相手に発しては「謝罪」を求める「癖」を持っていることがわかったからです。
この「癖」は、相手に「謝罪」を求めて自分の思うようにコントロールしようとするものです。
なぜそのような「癖」が生じたのか、その理解のための手掛かりが本書にあるという理由から、カウンセリングの先生に勧められました。
『ニュー・アース』の概要
本書は、「エゴ」に関する内容や、私たちが持ち続ける過去の古い痛みによって引き起こされる「ペインボディ」について緻密に描かれています。
「エゴ」が私たちの心にどのように存在しているのか、エゴの内容と構造、エゴと身体の同一視、エゴを超えるために理解すべき事項、エゴから解放される瞬間が詳細に記されています。
さらに、「エゴ」と深く関連した過去の古い痛みが引き起こす思考や感情の乱れ、なぜ「過去」に固執するのかといったテーマも克明に解説されています。
これらをペインボディと名づけ、それらを客観的に察知する手法についても説明しています。
基本情報
- 著者:エックハルト・トール
- 訳者:吉田 利子
- ISBN:9784763198723
- 出版社:サンマーク出版
- 判型:4-6
- ページ数:335ページ
- 定価:2200円(本体)
- 発行年月:2008年10月
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VXP
『ニュー・アース』のYouTube(ユーチューブ)
『ニュー・アース』について、YouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説している動画を探してみました。
「本解説のしもん塾【プロ読書家】」チャンネルが詳細に解説してくれていますので、本を読む時間がない方はこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
『ニュー・アース』から学んだことの要約とまとめ
『ニュー・アース』から学んだことは大きく3つの項目にまとめられます。
私が学んだこと
- 怒りのコントロールの仕方
- 怒りの支配からの解放とは、無意識からの気づきである
- 誰しも引きずる過去の古い痛みの解放は未来を明るく照らす
誰もが「ある特定の状況や言葉」に対して苛立ち、落ち込み、気分が乱れ、過剰に反応する傾向があることに気付いていると思います。
それが原因で人間関係に亀裂が入り、過去を振り返ってみると共通したパターンが見えてくるのではないでしょうか。
それらの自分自身の状況を改善したい、変化させたい、さらには変化させることが難しいならば、自己の内面でどのような変化が起きているのかを客観的に分析してみたいと思う方にこの本をおすすめします。
本書に記述されている内容は、自分が心が乱れるきっかけをつかむ瞬間を示しています。
ただ「無意識」の状態で起こっていることであり、この「無意識」をどのようにして「気がつくか」が重要とされています。
自分自身に乱れが起きたとき、その原因は既に「過去の古い痛み」に「支配」されているからで、すぐには理解できないかもしれませんが、自己分析を通じて徐々に「意識的に気がつく」ことが可能になってきます。
そして、「意識的に気がつく」ことができれば、「エゴ」や「ペインボディ」から離れ、初めて解放されると、この本は教えてくれます。
怒りのコントロールの仕方
「ペインボディ」の餌となる思考について学びました。
何故か私たちは、過去の古い痛みを引っ張りだして、定期的に自分自身を苦しむ感情に引き戻そうとします。
ペインボディの活性化を促すきっかけを「ペインボディの糧」と称し、その具体的な形は人により異なります。
私の場合、「ばか」という言葉が全てのきっかけとなりました。
それは幼少期に受けた長期的ないじめの結果で、毎日学校で「ばか」呼ばわりされました。
「ばか」という言葉は幼い頃に感じた記憶を呼び起こし、怒り、悲しみ、恨み、孤独を呼び覚ますのです。
一度感情に支配された心と脳は、その状態を定期的にもう一度体験したがるのです。
脳がそのようなメカニズムを持っているからこそ、そのような現象が起こるのです。
しかし、この支配から解放されるには脳を訓練することが必要であることが分かりました。
怒りの支配からの解放とは、無意識からの気づきである
過去に捉われ、「今」を正しく把握できない状況について学びました。
人間には古い記憶を何度も引き出す傾向があり、それによって自己像を形成しています。
良い記憶を過去から引き出し、より良い未来を選択することは可能ですが、記憶がネガティブなものであった場合、「今」と「過去」は状況が異なるにもかかわらず、「同じもの」として捉えてしまいます。
そのためネガティブな記憶はひとを苦しめ、「前に進む」という行動を拒否してしまうことになります。
「過去がこうだったから」「今も同じ」であるとは限らないのです。
誰しも引きずる過去の古い痛みの解放は未来を明るく照らす
「認識すること」の意味について学びました。
過去の痛みに引き起こされるネガティブな感情、「ペインボディ」を自分が「持っている」と認識することから始めるべきです。
さらに重要なのは、「いまに存在する」観察力や能力です。
つまり、自分のネガティブな感情が湧き上がったときに、客観的に自分を観察できるかどうかが、「ペインボディ」から卒業し、自分の感情をコントロールするための鍵となるのです。
『ニュー・アース』の感想
私自身、「ばか」という言葉に敏感で、怒り、苛立ち、落ち込みを感じることがありました。
しかし、これは私自身が「ばか」なのではなく、「ばか」という「キーワード」により、過去の古い傷が呼び起こされている結果であることに気づきました。
このキーワードこそが、過去に感じた自分を否定され、ゴミクズ扱いされていたという怒りや悲しみを引き起こし、その感情の渦に捉われ、抜け出せない状態になっていました。
しかしながら、「過去」と「今」は全く異なるものであり、もし「ばか」と言ってくる人がいたら、自らその人との距離をとるだけで良いのです。
誰もが「ばか」ではありません。
「ばか」と言われた時の感情が、あなたを支配しているだけなのです。
その感情から解放されたとき、初めて「ばか」と言われても何とも感じなくなります。
「ばか」と言ってきた人に対して「それはあなたの意見に過ぎず、そう思わない人もいます」と伝えてみてください。
『ニュー・アース』の評価や口コミ
他の方が『ニュー・アース』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
本当にいい状態の商品で感謝しています。ありがとうございます。
Amazonの口コミ
道元禅師が坐禅の目的を自我をなくすこととしている。無我・忘我とはどういうことかを考えているときにこの本に出会った。自然と一体化することは難しいことだが、エゴ(自我)をなくす瞬間を見つけることは生きていくことに重要なことと再確認できた。
Amazonの口コミ
使用感少なく大変綺麗な状態で梱包も丁寧でした ありがとうございました
Amazonの口コミ
これまで鬱解消のためAudibleやKindleを利用して、100冊まではいかないですがそれに近いくらいは、精神や成功法といった本を読んできました。その中でも、この本の内容は最も実践的と言っていい代物でした。具体的には、世間でちらほら耳にする「瞑想」というものについて、それが実際どういう行為で、何を目指すものなのかといったことがよく分かる解説書のようなものになっていると思います。瞑想に興味があってこれから実践しようという方や、瞑想に興味はなくても精神的に不安定で改善したいという方におすすめしたい一冊です。補足として、内容的にはけっこうスピリチュアルというか、人によっては胡散臭いと感じるような表現も一部あったり、若干難解でよく考えずに読むとあまり理解できないような表現もありますが、宗教概念を含む本の中ではかなり分かりやすく噛み砕いて説明してくれているので、そんなに身構えて読まなくても大丈夫だと思います。素直な気持ちで、分からなければ理解できるまで、何度も読む。それだけで大きな変化が期待できると思います。
Amazonの口コミ
• 過去数年で何十冊も英語/日本語のspirituality/truth系の本を読んで来たが、この本はpound-for-poundで、GOAT (Greatest of All Time)級にいいと思った• 今の自分のawakeningの局面、理解や感性のレベル的に、これ以上ないレベルでブッ刺さった• 我々の本質が何か、魂/light beingやconsciousness(意識)がどう言うメカニズムで現実や思考をobserve/観察してるのか、「気づいて」いるのか、をわかりやすく、そして丁寧に、辛抱強く説明してくれている。その深さ、正確さ、包括性に於いては、過去に読んだ本の中でもトップクラスだと思った• Spiritualityの歴史的global best sellerになっているのも納得• 一方で、flip side として、元学者の著者の文章のスタイルが、やはりtraditionalな、正確で丁寧な書き方なので、「サクッと気軽に読めて感覚でフワッと理解できる」感じではないかな。ある程度時間を掛けてじっくり読む必要あり。(でも多くの人にとってその価値は十二分にあると個人的には保証します)• 欲を言えば、若干、日本語訳が、正確さを期したが故のぎこちなさ/mechanicalityがあるかなー、とは感じたかも…例えば、「consciousness」を日本語で「意識」と訳してしまうと、元々の英語のニュアンスや語感がどうしても薄まる/歪む面もあるかな、とか。でも邦訳全体としてはoverall great jobだと思う• なので、「バタ足ノンデュアリティ」や雲黒斎さん書籍のと併用して読むといいかなと思った。あちらはよりシンプル/簡易に、感覚でサクッと理解できる感じ、こちらはがっちりロジックも含めてある程度の文章量を使って丁寧に説明してくれる感じ続きを読む
Amazonの口コミ
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
これからも状況や言葉が自分の感情を乱すきっかけとなることがあるかもしれません。
しかし、そうなっても心を乱す必要はありません。
あくまでその状況や言葉により、「過去」に感じた感情が自分を支配しているという気づきを得られたのです。
その結果、心を乱すことが減り、平常心へ戻すスピードが早まるでしょう。
もちろん、怒りや悲しみ、孤独、ネガティブな感情を持ってはいけないということではありません。
それらをきちんと感じ、外に出す必要があります。
しかし、ネガティブな感情を持ち続ける時間は大幅に短くなるでしょう。
その結果、感情のコントロールが楽になると思います。
次に読む予定の本は『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』です。
やるべきことが多く、物事が前に進んでいないと感じるため、モヤモヤした状況を打破する目的で読む予定です。