埼玉県にお住まいの60歳の女性(講師:学校講師)が、2023年5月頃に読んだ『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約し、まとめております。
書籍で学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は、参考にしてください。
目次
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』の購入経緯
友人から、難解な本を読んでいてなかなか好きな小説に手が付けられないという話を聞きました。
その本の内容を尋ねたところ、京都大学の地球科学の教授が退職する際の最後の授業内容を文章にしたものだと教えてくれました。
その話を聞いて興味が湧き、その本を借りました。
講義内容はもちろんのこと、人気のある教授の著作であるため、非常に読みやすくまとめられていました。
図や表も豊富で、とても参考になりました。
その興味深い内容に魅了され、自分でも購入して読むことに決めたのがきっかけです。
『揺れる大地を賢く生きる 京都大学地球科学教授の最終講義』の概要
本書は、作者である鎌田浩毅氏が地球科学という専門分野から日本の大地がどれほど危険な状態にあるかを解説しています。
特に東日本大震災以降、頻繁に発生するようになった強い地震の原因や今後の生活への影響を考えることが重要であると説明しています。
若い人の中にはこれらの事象を他人事と感じている人も多いかもしれませんが、その危険性をきわめてリアルに描き出しています。
阪神淡路大震災の地元とも言える京都で教鞭を執り研究を続けていた著者ならではの語り口が見事に表現されていると言えるでしょう。
また、多数の図解が用いられ、専門家でない読者でも理解しやすく、興味を持って読める内容となっています。
基本情報
- 著者:鎌田 浩毅
- ISBN:9784040824215
- 出版社:KADOKAWA
- 判型:新書
- ページ数:288ページ
- 価格:940円(本体)
- 発行年月日:2022年10月
- 発売日:2022年10月07日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】1:PDZ
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】2:RBC
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』のYouTube(ユーチューブ)
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』についてYouTube(ユーチューブ)で分かりやすく解説している動画がないか調べてみました。
残念ながら本書を詳しく紹介しているYouTubeチャンネルは見つかりませんでした。
そのため、本ブログにて要点をまとめて伝えられればと思います。
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』から学んだことの要約とまとめ
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』から、私が学んだ点は主に3つのテーマに集約されます。
私が学んだこと
- 2000年以降、死者を出すような大きな地震が国内で頻繁に起こっている事実と今後の見通し
- 富士山が噴火したときに、関東周辺へ与える影響
- 地球が人類が考える以上に大きな大地である事実
東日本大震災が起きた後、地震が頻繁に発生する原因と、今後起こる可能性のある災害について、分かりやすく解説されています。
関東大震災や東京大空襲を経験していない世代にとって、東日本大震災は驚愕の出来事でした。
しかしながら、今では10年以上が経つと、若い世代の中にはそれが他人事であるかのように感じる人もいます。
そのような世代はもちろん、直接被害を受けていない人々に対しても、これからも災害が起きる可能性について厳しい言葉が込められています。
さらに、地球に優しいというスローガンが誤った解釈であることを指摘し、地球が我々人間が思っているよりもはるかに大きな存在であることを示しています。
2000年以降、死者を出すような大きな地震が国内で頻繁に起こっている事実と今後の見通し
2000年以降、多数の死者を出した地震は東日本大震災だけでなく、北海道、新潟、熊本でも見受けられます。
また東日本大震災で最も多くの犠牲者を出した津波について、多くの人々が津波が到来するまでの時間が十分にあったにも関わらず避難しなかったり、安全な場所から戻ってしまった事例があります。
これは津波の恐ろしさが日本の人々に十分に理解されていないことを示しています。
同様の地震が起こった場合、まず避難をすることの重要性を強調しています。
富士山が噴火したときに、関東周辺へ与える影響
多くの人々が楽しむ富士登山ですが、富士山は活火山であり、約2035年前後に再び噴火する可能性があるという研究結果を紹介しています。
もし富士山が噴火すれば、山梨や静岡だけでなく、東京をはじめとする首都圏にも深刻な影響が出る可能性があります。
それは、交通網の寸断や生活環境の変化、さらには火山灰による食物への影響などが考えられます。
地球が人類が考える以上に大きな大地である事実
人々が地球に優しい環境を作るために、CO2の排出削減などをスローガンにしていますが、それは地球にやさしいのではなく、人間にやさしいという本質を指摘しています。
数万年にもわたり存在してきた地球は、人間が住みやすいように解釈を工夫していることに言及しています。
そして、気候変動はこれまでの地球の歴史の一部であり、これからも温暖化が進行し、気候が極端に寒冷化する氷河期が訪れる可能性があることを述べています。
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』の感想
仕事で学生に災害や環境を教える機会があり、興味から読み始めました。
教科書や他の本とは違う視点からの指摘に、衝撃を受けました。
これから起こり得る災害の対処法についてどう進めればよいのか、他人事と思っている私たちにも、いつ大きな災害が起こるかわからないということをしっかりと伝える必要があると感じました。
これからの未来を考えて、行うべきことはたくさんありますが、災害などは私たちの都合で避けられるものではないと感じた一冊です。
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』の評価や口コミ
他の方が『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
南海トラフ巨大地震、
富士山の噴火、
活断層に囲まれた「近畿トライアングル」、"この国に安全地帯はない"
備え方、生きる術を渾身の思いで伝えた白熱の講義!
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』鎌田浩毅 角川新書
…購入✨#読書 #購入ログ pic.twitter.com/ZJyVjEzQ1r
— 𝕂𝕖𝕚📚積読王の休日🦗🍁 (@s4t02h1_lib) October 25, 2022
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』鎌田浩毅(角川新書)よみました。/......多くの人は、緊急事態が発生すると茫然自失して、判断を停止してしまいます。「凍りつき症候群」と呼ばれる状態ですが、その結果、動けない時間が長くなればなるほど逃げ遅れてしまいます。 pic.twitter.com/f3aPLBdA5V
— Taketoshi_T (@t_express) August 14, 2023
鎌田浩毅さん『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』読了。
読んでいて憂鬱になりましたが、著者がおっしゃるとおり「知識は命を救う」と思いますので、自分の出来ることをやろうと思えました。
戦略的な勉強の仕方も参考になりました。 pic.twitter.com/RWTYeJ868S
— ふりはた ひろし (@164furihata164) May 11, 2023
新刊ビジネス書の要約サイト『TOPPOINT』に新刊『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』(角川新書)の紹介が載りました。https://t.co/VEYPMzMkUj
— 鎌田浩毅 (@Kamata_Hiroki_) November 24, 2022
【新刊速報】本日の新刊です。
『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義 - 鎌田 浩毅(著/文) | KADOKAWA』https://t.co/v4hvrxck2j#新刊 #速報
— トレンド本情報 (@nofication4u) October 7, 2022
後半部は興味ありましたが、前半部は専門的な話で自分には難しかった。
Amazonの口コミ
この国は活断層よる地震災害、火山噴火による災害と風水害による災害が何時どこで起きてもふしぎでない状況が続いている事がよく分かります。
Amazonの口コミ
最終講義にもかかわらず、3.11以降、大地変動の時代に入った日本列島に迫る巨大災害を減災するために必要な知識を切実に伝える内容に、いかに現状が危機的なものかが伝わります。それだけではなく本書を読めば、鎌田教授の講義が京都大学で人気No.1になった理由が「教養」という観点から理解できます。また、「7章 ポストGAFAを見据えて」で書かれている勉強の方法は、まさに学習指導要領で文部科学省が求めている「探究」のサイクルと全く同じものです。この本で鎌田先生がわかりやすく説明されている内容を全国の先生方に読んでいただきたいです。
Amazonの口コミ
この本では最も危険視されている「南海トラフ巨大地震」が早ければ2030年代、遅くても2050年までには発生するのではないかと伝えています。この予測は過去の大きな地震のデータを基にしてはじき出されたものであり、地震の発生パターンを統計学的に処理して算出されました。問題のこの巨大地震はマグニチュード9クラスの地震エネルギーを有していて、最大震度7の大きな揺れが静岡周辺から九州にかけての広い範囲を襲い、同時に巨大な津波も発生します。その津波の速度は沿岸部において時速40キロメートルで、仮にそれを発見してから逃げたのでは手遅れとなってしまいます。また、被害の予測数値として、犠牲となる人の数は約32万、全壊・焼失する建物は約239万棟で、津波によって浸水する面積は約1000平方kmになるとのことで、ことによると、日本の大動脈が分断され、まさに未曾有の事態に発展する事も考えられます。これは東日本大震災よりも一桁多い被害の数字で、日本全体で約6000万人の人たちに深刻な影響を与えるであろうと考えられています。さらに近い将来、「首都直下地震」もその発生が大いに懸念されていて、今後30年間にマグニチュード7クラスの直下型地震が約70%の確率で発生するのではないかと中央防災会議はみています。これによる総死者数は最大で23000人、家屋の焼失と全壊は最大61万棟となって、首都圏の機能はしばらくの間麻痺状態となる可能性もあります。そこで著者は注意を喚起します。今ここにある危機を共有し、いかにして自分の身を守るかを常日頃真剣に考えてほしいと。続きを読む
Amazonの口コミ
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
私が生活している内陸部は、津波や雪崩、台風といった災害の少ない地域です。
東日本大震災のときも大きな被害に見舞われることはありませんでしたが、誰もが他人事のように思っています。
しかし、今後どこで同じような地震や災害が起こるかは予測できません。
その際に一番大切なことは自分の命を守ることであることを学びました。
この経験を若い世代にしっかりと伝え、彼らの生きる時代に起こる可能性がある富士山の噴火や首都直下型地震に備える心構えや準備を伝えられたらと思います。
私が次に読みたいと考えている本は『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』です。
環境や災害の話題と並んで、今年度から消費経済に注力し、投資などの話題を授業に取り入れることになりました。
経済の専門家ではないので、このような本を参考に学習していこうと思っています。