神奈川県にお住まいの62歳男性(職業:行政事務)が2023年1月頃に「ブックオフ」で読んだ小説『十年不倫』のレビューをご紹介します。
小説に対する感想や読みどころをネタバレありで解説していますので、読む前に面白さを知りたい方や、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『十年不倫』を読もうと思ったきっかけ
長い間不倫を続けている人たちの心情の変化を知りたくて、この作品を手に取りました。
中には現実離れした内容もあり、大変面白く読むことができました。
人はなぜ不倫をするのでしょうか。
それは永遠のテーマであると思います。
既婚であろうと未婚であろうと、人の感情の理解の仕方や社会の在り方を再度分析し、自分の人生に少しでも役立てたら良いと思います。
自己満足のために不倫をしている人が多いという印象を強く受けました。
小説『十年不倫』の内容
数多くの独身女性が不倫に警戒したり反発したりしつつも、既婚男性との恋に陥る物語を描いています。
なかでも十年を超える長い期間、彼女たちは様々な葛藤に悩まされつつも、自身の真意を明らかにし、既婚男性とどのように接していくべきかという未来像を形成していきます。
なお、不倫が必ずしも恐ろしいものでないと感じる女性もおり、自身がどうして不倫の状況に陥ったのかを振り返り考えることもあります。
現在の社会が必ずしも健全ではないという事実を踏まえ、この小説は不倫がもたらす苦痛やスリル感を総括しています。
作品情報
- 著者:衿野 未矢
- ISBN:9784101364513
- 出版社:新潮社
- 判型:文庫
- ページ数:288ページ
- 定価:438円(本体)
- 発行年月日:2008年12月
- 発売日:2008年11月27日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】:JBS
小説『十年不倫』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説する小説『十年不倫』の読みどころは大きく3つあります。
この小説の読みどころ
- 不倫を長続きさせる条件について知りたい方必見
- 恋をめぐる危機管理の甘さを具現化した男女
- 不倫のツールについて詳細な描写
不倫を長続きさせる条件について知りたい方必見
不倫を長続きさせる条件として、旅行が挙げられます。
旅行を通してお互いの距離が縮まり、一緒になることで非日常感を味わうことができます。
そこで恋がどのように展開されていくかというスリルが体験できます。
それにより関係が安定すると、休日に会えない寂しさや不安が生じます。
いつのまにか既婚者であることも忘れ、相手を独占したくなるのです。
これが不倫の怖さであり、強い影響力を持つ行為と言えます。
お互いに責任ある行動が求められます。
恋をめぐる危機管理の甘さを具現化した男女
何度も出会うことでお互いの距離が縮まり、恋がエスカレートすると盲目となり、自分の行動が理解できなくなることが増えます。
まるで自分の所有物のように相手を感じ、理性のコントロールが難しくなることがあります。
それは体の関係だけでなく、感情だけの一途な恋の気分で接することにも繋がります。
もちろん、相手の家庭環境のことも忘れて夢中になります。
そのような男女の恋には危機管理が次第に薄れてきてしまうのが現状で、自己責任が重要となります。
不倫のツールについて詳細な描写
不倫のツールは、周囲の環境に左右されやすく、他人がやっているからという理由で自分もやるという悪循環に陥りやすいと言えます。
お互いが目指す方向が一致しているからこそ不倫は生じるのであり、どのように付き合っていくかを考える余裕がなくなることもあります。
心に余裕がないからこそ、良くない方向に進みやすいのが不倫の特性と言えます。
それを回避するためには、原点に戻り自分自身を見つめ直すことも重要でしょう。
小説『十年不倫』を読み終えた感想
なぜ不倫を続けるのか。
それは、お互いの危機管理が甘くなり、自分の気持ちを抑えられなくなったからだと思います。
日本は不倫が多い国で、離婚件数も多いです。
もっと人生計画を立て、人に迷惑をかけないように自分の人生を真っ直ぐに歩むべきだと思いました。
既婚男性は、参加女性の甘い誘いに気をつけて自己防衛をすることが、結婚生活を守ることにつながると思います。
自己満足と妥協のバランスをどこで取るかを考えることが、不倫を長続きさせないポイントだと思います。
小説『十年不倫』で印象に残った名言
小説『十年不倫』を読んで、特に印象に残った名言を紹介します。
「加奈子」のセリフ
不倫を行うシングル女性が加害者であるという考え方。
小説『十年不倫』の評価や口コミ
他の方が小説『十年不倫』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
『十年不倫』って本読んでるけど(小説かと思って買ったらルポだった)昼ドラみたいですごい面白い。昼ドラが流行るのは、これか〜〜
— Momoko Kawano * 河野桃子 (@momo_com) June 6, 2016
未婚女性×既婚男性の不倫、しかも10年間以上続いている、若しくは“続いていた”人々のドキュメンタリー。視点は未婚女性側。不倫当事者にはもちろんお薦めの一冊です。筆者が取材して得た、様々な“不倫の形”が紹介されます。不倫というのは個人的事象で、そのスタイルは千差万別かもしれませんが、世代を切り口にして、不倫の形が鋭く分析されていきます。50代、40代女性の不倫は、従来の不倫に対するイメージに近く、陰湿・非道徳・甘美・秘密といった、近代までに出版されてきた、数多くの文学作品でも表現されたものです。しかし30代、20代(10年不倫予備軍)女性のそれは、社会変化の影響を受けた、新しい形となっています。世の中には、何千年と続いてきた、結婚という社会制度がありますが、その結婚では補い切れないズレの為、やはり古くから浮気があり、不倫があり、10年不倫が存在してきました。筆者が“社会のほころびを、不倫が縫い合わす”というように表現していたのが言い得て妙で、納得してしまいました。しかし結婚という社会制度にが完璧でないのと同様、不倫という社会行動もまた、完璧ではありません。本書では、不幸な経験をする女性(既婚男性の妻も)も多く登場します。その切ない想いを知ることが出来きる本ですね。続きを読む
Amazonの口コミ
単なる好奇心で購入して読みましたが、あまり引き込まれるようなもなく、印象に残りません。ノンフィクション系なので、単純に取材された人の話が面白くない、ということなのかもしれませんが。なお、私は不倫に対して特に賛成も反対もありません。
Amazonの口コミ
不倫が 可 でも 不可 でもなく それぞれが メリット デメリット 考えさせられるところが良い。なかなか最後まで 面白く 読めました。
Amazonの口コミ
人物描写と、不倫のきっかけ、年月、経過や別れなど次々と書かれていて、著者の思いもそれほど表されていない本です。読み手としては、不倫する人たちの心の中の葛藤など知りたかった。ただ、不快感だけが残った。
Amazonの口コミ
不倫の話になるとひどく道徳的になって他人を非難し始める人がいるのに驚く。匿名のウェブサイトのコメントでは人々がもっているこの非常な道徳性はどこに起因するのかと不思議に思うほどだ。どっちみち他人のことだし、迷惑をかけているわけでなければかまわないはず。本書は、長期で不倫関係を継続しているさまざまな姿をレポートしていて、なるほどこうなのだろうなとなっとくできる本である。たぶん「意外にも」多くの人が経験していて、そのことをひた隠しにしているのだろう。ある程度の夢と、ある程度の愛情と、あたたかみ、それにうしろめたさをもってそれぞれの人が自分の責任で選択して行くということ、長年たつときに陥るさまざまな姿がよくまとめられている。面白い小説をよむことを期待している読者には期待はずれかも、また道徳的に非難したがる人にはいらいらする本だろうが、人生の本当の姿を素直に理解しようとする人には、とても優れた本だと思う。とくに不倫と呼ばれる関係にはいってどう考えたらよいのか迷っている人には、自分をよく見つめ直して、納得のいく人生を歩む(不倫を続けることをもちろん含んで)といういみで、本書はぜひおすすめである。
Amazonの口コミ
みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!
おわりに
小説『十年不倫』の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してまいりました。
「面白い」と感じていただけた方は、ぜひお読みください。