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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『愚者のエンドロール』のレビュー!小説を見た感想は「本当の推理は推理の向こうにある 」

石川県にお住いの49歳女性(専業主婦)が2021年2月頃に「紙の本」で読んだ小説『愚者のエンドロール』のレビューをご紹介します。

小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • 推理映画の犯人を突き止めよう
  • 折木の推理
  • 入須冬美の思惑とは

小説『愚者のエンドロール』を読もうと思ったきっかけ

米澤穂信の推理小説、古典部シリーズ第1作「氷菓」を読みとても面白かったので、第2作目も読んでみることにしました。

基本的に人の死なないミステリーですが、今回は、文化祭のクラスの出し物で映画を撮ることになり、そこで事件が発生します。

劇中劇の推理ということで、第1作とは違ったアプローチが施されていて、新しいドキドキを感じることが出来ると思いました。

文化祭という高校生活の楽しいお祭りも疑似体験できる作りで自分の思い出も蘇り、懐かしい気分に浸れそうでした。

小説『愚者のエンドロール』の内容

主人公の折木奉太郎は、神山高校の古典部所属です。

普段は省エネ主義のヤレヤレ系ですが、優れた洞察力と推理力を発揮する一面も持っています。

同じく部員の千反田えるに小さな謎解きを与えられ、毎回解決するはめに陥ります。

神山高校の一大イベントである文化祭、通称カンヤ祭はクラブ活動、学生生活の集大成です。

文化祭の出し物で、有志と募り映画を撮ることになった2年F組ですが、脚本家の体調不良により、作品は未完成のまま放置されていました。

映画の完成のために、脚本家に代わり犯人を突き止めて欲しいと、リーダーの入須冬美が、古典部を頼りに願い出ます。

小説『愚者のエンドロール』の作品情報

作品情報

小説『愚者のエンドロール』のあらすじ

古典部のメンバーが先輩から見せられた自主制作のビデオ映画は、廃屋の密室で起きたショッキングな殺人シーンで途切れていた。

犯人は? その方法は? 結末探しに乗り出したメンバーが辿り着いた、映像に隠された真意とは――。

小説『愚者のエンドロール』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい小説『愚者のエンドロール』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • 推理映画の犯人を突き止めよう 
  • 折木の推理 
  • 入須冬美の思惑とは 

推理映画の犯人を突き止めよう 

2年F組リーダーの入須冬美に推理映画の犯人を突き止めて欲しいとお願いされた古典部のメンバーは、オブサーバー役を引き受けます。

探偵役を志願してきた先輩たちに推理を披露してもらいますが、どれもしっくりきません。

脚本家は素人ではありますが、キチンと勉強をして確かな筋建てを用意していたようです。

映画は廃村を舞台にした殺人事件です。

使用される小道具や、見取り図を確認し、更に劇中の人物の人間関係まで範囲を広げながら推理に挑みます。

折木の推理 

入須に個人的に呼び出された折木は、「君は特別よ」と評価されます。

何事もやる気がなく、何の才能も技術もないと思っていた折木は、少なからず自分に期待します。

今までの自己評価は間違いで、自分の才能を信じてみることにしました。

密室殺人の真相は、折木の提示いした予期せぬ人物の登場で、面白い仕上がりに完成しました。

満場一致で受け入れられたかのように思えた折木の推理ですが、予期せぬ方向に迷走します。

古典部のメンバー3人から指摘された部分は、折木を動揺させました。

ここからが本当の推理の始まりです。

入須冬美の思惑とは 

「女帝」という通り名を持つ入須冬美は、人の心を掌握し手のひらで転がすことが得意な人物です。

入須の求めていた答えは、推理ではなく映画のシナリオを創作してくれる脚本家を見つけることでした。

まんまと罠にはまった折木は自己嫌悪に陥ります。

しかし本当は、脚本家のシナリオがつまらなかったため、それ以上の脚本を書ける人物を発掘することでした。

折木も脚本家も、そこには気づいていませんでした。

入須の真の目的に気付いたのは、入須の先輩である折木の姉でした。

姉は遠回しに入須を責めるのでした。

小説『愚者のエンドロール』を読み終わった感想

愚者のエンドロールとは、いったいどういう意味なのだろうと思いましたが、読み終えてなるほどと実感しました。

劇中劇の殺人事件の犯人を見つけ出すことがメインかと思えば、人間の思惑の奥に見え隠れする真の目的が、推理の根幹だと驚かされました。

人間の優越感、劣等感をくすぐりながら自分の目的のために動いて貰うとは卑怯な手段とも思えますが、意外と日常に潜んでいる事例かもしれません。

文化祭という華やかな舞台で起こった小さな謎解きに傷ついた折木青年、少しだけ主人公に寄り添いたくなる話です。

小説『愚者のエンドロール』で印象に残った名言

私が小説『愚者のエンドロール』を読んで特に印象に残った名言です。

「入須冬美」のセリフ

心からの言葉ではない、それを嘘と呼ぶのは君の自由よ

小説『愚者のエンドロール』の評価や口コミ

他の方が小説『愚者のエンドロール』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

おわりに

私が小説『愚者のエンドロール』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。







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